豆は「しあわせ」のタネである

豆コレクション【小豆】

 

あずきバラ小豆 アズキ

マメ科 ササゲ属 アズキ種

サイズ:長辺 約4〜6mm

(5.5mm以上は「大納言」の括り)

 

 

人の心を和ませる あんこ

日本で最も小豆の収穫量が多いのは、ダントツ北海道。次いで兵庫、京都、岩手、岡山と続きます(H27年産 農林水産省データより)。その8割が「あんこ」に加工され、和菓子やパン、洋菓子、冷菓などにも使われています。

農家が少量だけ自家消費用に栽培するような小豆も入れると、数百、数千種類もの品種があります。古くは縄文時代の遺跡から出土したという話も聞かれ、日本各地には「小豆」の字が入る地名も多数見られます。

甘い「あんこ」が初めて作られたのは、西暦820年頃の京都で、御所に献上された「小倉あん」が始まり。二尊院には「小倉餡発祥之碑」も残っています。

 

あずき養生で健康に

ビタミンB1、B2、B6、食物繊維、鉄分、ポリフェノールなど、その1粒に美容や健康維持に役立つ成分が豊富です。かつて、白いご飯を主食とするようになり増えた「江戸病(脚気)」の予防にも、小豆の摂取が一役かったとか。

小豆を食べると、むくみがとれ、肌がきれいになり、脚気や風邪の予防、夜尿症を抑え、二日酔いの快復にも‥‥と民間薬としても長らく食べられてきました。今でも母乳の出や、産後の肥立ちを良くするとして、出産後に小豆食を奨める地域もあります。

抗酸化作用に優れた働きをするポリフェノールが、小豆には赤ワインの約2倍含まれている、食物繊維はゴボウの約3倍‥‥ 定期的に小豆を摂る習慣を身につけ、「疲れたらアンコもので元気回復」は、健康的なチョイスと言えましょう。

 

小豆の赤は祝事にも厄除けにも

小豆を使ったもう一つの代表的な食べ物と言えば、お赤飯。昔からお祝いごとの席に付き物でした。誰かを応援する気持ちで作ったり、健康を考える上で日を決めて繰り返し作り続けたり‥‥。そのお赤飯を「小豆の赤は邪気を祓う」として、厄除けに食べる地域もあります。葬儀の精進あけにお赤飯を配るとか。

日本の各地で受け継がれてきた小豆にまつわる風習や食文化を、小豆を食べることと共に未来につないでいきたいものです。

 

小豆の用途

餡、汁粉、ぜんざい、おはぎなどの甘味、

赤飯、あずき粥、雑煮などの料理、

あずきパフ、あずき粉末などの食材

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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