豆は「しあわせ」のタネである

小山園 元庵のロールケーキとお濃茶

映画「花戦さ」の余韻から‥‥

6月3日に公開された映画『花戦さ』、能楽師の野村萬斎さんが主役を演じておられます。その映画の中で何回も、利休さま(佐藤浩市さん)がお茶を点てるシーンがあるのですよ。

登場する黒いお茶碗は、前に展覧会「茶碗の中の宇宙」で鑑賞した樂家 初代・長次郎さんのお茶碗「大黒」を描いているのではないかな、と思いながら映画を見終えました。

太閤秀吉とのシーン、池坊専好さんとのシーン、利休さま自害の後に専好さんひとりで花の戦さに臨むシーン、黒茶碗は何度も登場します。

池坊さんですから、生け花の映画なのですが、見終えたときには美しく点てられたお茶を味わいたい気持ちになりました。。。

 

というような経緯から、向かったのはご近所にある「茶房 元庵」でした。

こちらは、丸久 小山園さんが経営される正当派のお茶がいただけるお店です。

 

 

 

 

おいしいロールケーキと黒茶碗でいただくお濃茶

ふつうにいただく「抹茶のロールケーキセット」は 1,200円です。しかし、この日の私は、どうしても黒茶碗でお茶をいただきたい気分でした。

元庵では、黒茶碗は「濃茶」に使われているそうです。御朱印めぐりやその他うんぬんで口にしてきたお茶は「お薄」ばかり。元庵では、作法もわからぬのに黒茶碗のために「濃茶」をお願いし‥‥

念願かなって、黒茶碗に点てていただいたお茶と抹茶のロールケーキを味わうことができました。濃茶は当然、濃い〜お茶でした。濃茶のあとに、薄茶をいただくことを「ねりかえし」というそうです。

濃茶と薄茶の違い、色だけでも歴然としてますね。お薄の3倍量の抹茶が濃茶に使われているそうです。

ロールケーキの芯にも、濃い味の抹茶が入っていたから‥‥ おそらく私はこの30〜40分ばかりの間に、たぶん10gくらいの抹茶を体内に摂取したのではないかと思います。

ビタミンCとカテキンたっぷり!

 

豆なブログにつき、あんこの話

ロールケーキに添えられているアンコのかたまり。ずっと昔にキモノを着て、この店に訪れたことがありました。奥に見える清々しい庭の緑とこのから、そのときの記憶がよみがえってきました。

いつ頃、どこで、どなたと何を食べたか‥‥ 思い出は私の場合、食べたものの記憶と共にインプットされています。しあわせな記憶も、ほろ苦い記憶も、あんこの味は知っている‥‥

 

って、元庵のふわふわのロールケーキは絶品です! お抹茶に浮かれて、あんこの美味しさを描けておりませんが、こういう日もあるということで‥‥

このあんこの存在こそが、お抹茶とロールケーキの味わいをより深く導いてくれているように感じました。いつの日か、ロールケーキの「棹買い」をしてみたいものです。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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