豆は「しあわせ」のタネである

豆コレクション【紫花豆】

全国 道の駅「豆コレクション」サイト用に書いている原稿です。

 

img_20161028_130309-%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc

紫花豆(むらさきはなまめ)

マメ科 インゲンマメ属 ベニバナインゲン種

サイズ:長辺 約20〜35㎜

 

 

 

 

江戸時代に観賞用として伝わる

紫花豆はインゲン豆の仲間で、白花豆や黒花豆、藤花豆などと並ぶ粒の大きな豆です。北海道を主産地とし、東北や長野県、群馬県でも栽培されています。

紫花豆が日本に入ってきたのは江戸時代の終わり頃。蔓に咲く美しく赤い花が好まれ、観賞用として栽培されていたと伝わります。食用に栽培が始まったのは北海道で、明治時代から。札幌農学校を中心に栽培され、大正時代になって本格的に食用としての栽培が広がりました。

生育には冷涼な地を好み、栽培エリアは限られますが、紫花豆は日本各地で販売されているファンの多い豆です。

紫色の地色を、自然界の描くアーティスティックな黒い模様が覆い、一つひとつ異なる柄の入り具合は眺めるにも興味深いもの。そのサイズ感といい、色具合といい、高貴さを感じさせます。

 

紫花豆と藤花豆、高原豆

紫花豆は、同じインゲン系の白花豆をやや小ぶりにしたような姿かたちの大福豆や、虎もようが愛らしい虎豆などと共に「高級菜豆」に分類されます。

長野県で栽培される、紫花豆の中でも大型のものは「高原豆」と分類され、とても高価な豆として扱われています。

また、紫花豆を反転したような姿の花豆もあります。やわらかな藤色の地色に、少なめの黒い模様が入る「藤花豆」です。食感は紫花豆よりやや豆の表皮が厚いかなという印象で、デンプン質の多い豆です。

 

クセの強い個性的な豆

紫花豆は粒が大きく表皮が厚いため、水にもどすときも煮るときも、ほかの豆より時間がかかります。水にもどした汁は茶色っぽく色づき、煮汁は濁った色に染まります。これらは、紫花豆の渋(ポリフェノールの一種であるアントシアニン)が溶け出したものです。栄養成分的には望ましいのに、味的にはアクや苦味となってあまり好まれません。そのため、煮始めるときには浸しておいた水を替え、煮始めてから渋切りをします。

市販される紫花豆は一般的に粒の大きさに差があるため、煮えムラが出やすい傾向にあります(慣れないうちは、ムラなく上手に煮えるよう、水洗いする前に粒の大きさが同じくらいのものを揃えて煮るのがおすすめです)。

茹で上がった豆を見ると、乾燥状態のときのような紫色と黒の模様は濁って黒っぽい茶色のような、見方によっては深い紫色のような色になります。

茹でたての紫花豆を口にすると、ホクホクと栗のような食味に感じ、冷めてもホクッとなめらかな食感が残ります。大粒でデンプン質が多いので、製菓や料理の味をもらいやすいのも特徴。スイーツや料理が出来上がって直ぐより、少し時間をおいて味を沁み込ませてから口に運ぶと、よりおいしさが感じられます。

豆の中でも、より個性が強い紫花豆。同じ花豆では白花豆のほうが扱いやすいかもしれません。クセがあって手間がかりな紫花豆の調理も、コツをつかめば、その手間さえも楽しみとなるでしょう。

 

 

紫花豆の用途

甘煮、ワイン煮、和洋菓子、

マリネ、シチューなど

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

お知らせ

Plofile

豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら

バックナンバー