豆は「しあわせ」のタネである

【永平寺町】柏樹關の精進料理に豆あり

親禅の宿 柏樹關

仕事で福井県へ。「柏樹關(はくじゅかん)」というお宿に泊めていただきました。

たいそう役得な仕事でした。これから編集作業、原稿を書いてデザイナーさん渡し、校正のやり取りを経て、完成するのは少し先になります。

お宿で味わった料理のことは、忘れる前に記録しておきます。

夜のお食事/卯月の精進料理より

▲ 豆食材が使われているのは、前菜に「大野産すこと茸の白和え」「竹田のあげ焼」、お造りに「重ね湯葉」、煮物に「飛龍頭としめじ・隠元」、「湯葉野菜小鍋」でした。

 

▲ 留椀に「福井産打ち豆汁」

▲ 甘味「胡麻豆乳寄せ 小豆 抹茶」

手間を惜しまず作られたすべての料理に、真心と和心が感じられました。これはつくづく「愛でる料理」だなと思いました。ピリリと行き届いた隙のない手しごとが、実に美しいのです。

淡白になりがちな精進料理に、薬味や飾りで変化を持たせ、一辺倒の味付けにならない工夫がなされています。

お食事処 水仙にて、大平英幸 料理長のお話をお聞きすることができました。

「いくつかの料理は永平寺の典座を務められた三好老師から教わったものです。素材を生かし、無駄無く使い切ることを学ばせていただき、その教えを大切にしています」という大平料理長のお話が印象的でした。

これまで何度もお寺で教わってきた精進料理とは雰囲気が異なる、少しずつ何品もの料理が盛り付けられた品数の多いコース仕立ての精進料理。

ご馳走さまでした。

 

水仙の朝ごはん

永平寺での朝課のあと、朝ごはんをいただきました。

普通ではない「朝がゆとお味噌汁」に小鉢の数々が、親禅の宿の朝ごはん。

登場した豆食材は、胡麻豆腐に添えられた「甘味噌」、「肉大豆甘辛煮」「隠元胡麻和え」「鹿尾菜と肉大豆の旨煮」、「紙鍋味噌仕立て」の厚揚げ、オレンジ寒天に添えられた「豆乳ホイップ」がありました。

お寺の「小食(朝ごはん)」とは比べものにならない豪華なお粥のセットです。

「前夜も朝も、こんなに食べて大丈夫? 私のおなか?」と気になりましたが、消化に良いものが多く、もたれるようなことはありません。「カラダに良い食事をいただいている」という意識が働き、一品も残すことなく完食しました。

どうがんばっても自分では作れない細やかな精進料理、勉強になりました。

 

柏樹關のこと

こちらのお宿には、禅コンシェルジュがおられます。宿泊客を対象に、永平寺への坐禅体験や朝課への参加をサポートしてくださいます。

ベッドが2つあるお部屋を1人で使わせていただきました。

 部屋着には作務衣が用意されていました。

玄関入った正面に、永平寺より譲られたと聞く「梆(ほう/魚鼓)」が掛けられています。

初めて訪れたにも関わらず、居心地のいいお宿でした。

支配人の岸さま、大平料理長、禅コンシェルジュさん、ほかスタッフの皆さま、お世話になりました。ありがとうございます。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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