豆は「しあわせ」のタネである

年末の豆しごと

お正月の黒豆を送る

京都に暮らして満15年。日付が変わったから、気がつけば16年と1日目。

あの頃から続けていることの一つで、年末に実家に「お正月の黒豆」を送っています。キッカケは、やっぱり母。

豆ビギナーの頃、「あんたの黒豆には色気がない」と言われたことが、お正月の黒豆に執着する始まりでした。

お正月の黒豆には「まめまめしく、元気に!」みたいな意味があるようですが、私の場合は母への挑戦でした。一昨日、市場の包丁屋さんとそんな話をしてたら、懐かしく思い出しました。

母とK夫妻、Iご夫妻と、Yさんと、送るのは3箇所。京都で手渡しする分も合わせると、10人分くらい用意しています。

黒豆は「実年齢+1粒」がお決まりで、1人分ずつ数を2回数えて瓶に詰めます。

1、2、3、4・・・ と数えながら、皮が破けている黒豆や色が漆黒に色づいていない黒豆をはずし、2回検品後の豆をお渡ししています。これが、けっこう時間がかかり、なんやかやと一緒に送る品を用意したりしているうちに、ほぼ1日がかりで夕方になり、クロネコに間に合わせるようラストスパートな夕暮れどき。

これが、おおよその年末行事の一つ。

送り出しを済ませ、皮が破けた豆は私の試食になります。

29日発送、30日着。今年も無事に送り出すことができました。

 

丹波黒大豆、2024年の出来は?

・長引く猛暑の影響により収穫が遅れた

・不作につき収穫量も少ない

※令和6年収穫品は長引く猛暑など天候不良の影響により不作となり、例年に比べて豆の粒が小さく品質も低下傾向にある

という情報をいただいていました。

注文品が手元に届き、「粒が小さいということは、グラムあたりの数が多くなるはず」と考えて、いつもは乾燥豆500〜600g(2鍋)煮るところを、とりあえず400gを1鍋だけ煮ました。

新豆、コトコト3時間。翌日まで浸して味見したら、砂糖を豆重量の8割では甘さが薄く、1割の砂糖と塩少量を足して、もう30分ほど煮ました。

<材料メモ>

・丹波黒大豆 飛切 400g

・甜菜糖 360g

・塩 小さじ2/3

・醤油 小さじ2.5 (2024は澤井醤油/まるさわ二度熟成 再仕込醤油)

・水 2.4L

 

煮沸消毒した瓶に詰めるとき、例年より小さいことを実感。

ここ20年くらい、丹波篠山の「飛切」もしくは「飛切極上」を使ってきました。今年の「飛切」に関しては、販売店さんのお言葉どおり、モロに天候不良の影響を受けてしまった印象です。丹波黒大豆「飛切」は、北海道産「祝黒」か「光黒」くらいのサイズに感じました。

生産者さん、おおもとの老舗黒豆卸店さん、販売店さんともに、さぞかし気を揉まれたことだろうと拝察いたします。私のような個人的愛用者と違って、料亭さんや百貨店さんなどは消費者を相手にお困りでしょう。

秋の枝豆の頃から心配するお声が聞こえていましたが、どうぞ2025年は丹波篠山の黒大豆に影響が出るような猛暑にならないことを願います。

ちなみに、京丹波の「ぶどう黒豆」や「和知黒」はどうだったのでしょう? 知り合いの方々に訊ねてみよう・・・

 

付録おぼえ書き

黒豆だけでは60サイズの箱がスカスカなので、元は京都の名産品を同梱していました。近年は、大晦日まで仕事で忙しい方たちのおかずにと思い、豆っぽいのを入れています。

来年、何をつくるか困らないためのメモ

左上 黄えんどう豆とわさび菜のフムス

左 茶レンズ豆とキャベツとレモンの出汁マリネ

右 赤レンズ豆と黄えんどう豆のスパニッシュオムレツ

 

黒豆を送り出したら、ようやく自分のお正月準備に取り掛かりです。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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