豆は「しあわせ」のタネである

「世界マメの日」記念セミナーに参加しました

2月3日、東京 飯田橋「ホテルメトロポリタンエドモント」にて開催

日本豆類協会と雑穀輸入協議会の主催で、世界マメの日記念セミナーが開催されました。毎年お声かけいただき、2年ぶりの参加が叶いました。

雑穀輸入協議会の山名律子理事長のご挨拶に始まり、FAOの日比絵里子所長、農林水産省の山﨑裕介課長補佐が来賓として5分ずつくらいお話しされました。

その後、GPC(国際豆類連合 Global Pulse Confederation) 会長さんからのビデオメッセージ。翻訳文をいただき、見比べながら拝聴しました。

日比所長のお話と、GPC会長のお話に共通して出てきた話題が気になりました。

「豆を栽培することは、害虫や病原菌を抑制することにつながる」「豆類は土壌をより健康にし、病気や害虫を減らし、生物多様性を高める」

そのことについて疑問が湧き、2部の試食会の席で日比所長にお訊ねしました。

「豆を育てるとき農薬をかけなかったら、豆は虫だらけになります。害虫が減るという意味がわからないのですが・・・」と。

日々所長より「海外では広大な畑にとうもろこしだけ、麦だけ、といった栽培がされています。単一作物だけでなく、豆の栽培を加えることで、一つの作物が病害虫におかされ、全滅することを防ぐことにつながります」というようなご回答をいただきました。

「5分で世界レベルの話をするのは難しい」とも。

日本の畑しか知らない自分の視野の狭さを思いました。私の中の「最も広い」は、帯広や上士幌町の畑。アメリカやカナダやロシアや中国や・・・ 規模が違うのですよね。

自給率とか、飢餓とか、持続可能な、生物多様性、云々かんぬん・・・ 世界を語るには世界の共通言語、共通ワードに慣れないと、いちいち反応するようではご迷惑になります。

世界は広い。兼業農家の小さな田畑を走り回って育った感覚は、土や空や川や農家さんの力を小さくしてしまいます。大も、中も小も、「良い作物を作りたい。おいしいものを作りたい」気持ちを込めて作られている日本の農家さんのことばかりを想像してしまうのです。

 

SDGsと食品ロス削減の取り組み

世界マメの日 記念講演は、ホテルメトロポリタンエドモント 中村勝広 特別顧問 統括名誉総料理長がお話しくださいました。

鹿児島県生まれ、国内とフランスで修行し、日本人初のミシュラン一つ星を獲得された方で、日本人で2人目の「コマンドゥール」を受勲されたそうです。FAOの親善大使もされています。

・世界で捨てられる食べ物の量は、2021年7月発表で約25億トン。日本では2024年6月発表で約472万トン。SDGsの取り組みの成果が現れ、前年に比べると51万トン減少したが、これは世界の食料支援に使われる年間480万トンに近い数字。複雑です・・・

・世界の人口は2024年度に82億人で、2080年には103億人に増える見込み。この数が世界人口のピークと予測されています。2024年の世界の飢餓人口は7億3,300万人。その8割がアフリカ中東に集中しているとのこと。世界規模でみると、11人に1人が飢餓状態にあります。

・日本は食料自給率が低く、6割以上を輸入に頼っています。牛・豚・鶏、日本で飼育する畜産飼料は、ほぼ輸入に頼っています。

・食品ロス削減の取り組みの一つに「motteECO(もってこ)」がある。余った料理を、自己責任のもと持ち帰る取り組みです。持ち帰るメニューは、中心温度75℃以上で加熱した料理のみ

 

・・・・・感じたこと

食料を輸入するということは、栽培や製造する国の水も輸入していることに等しいと、雑誌で読みました。自分で作物を育てたことがない人、料理を作らない人は、食べ物を廃棄することへの違和感をさほど感じないのかもしれません。

飢餓、hungry、ひもじい、おなか空いた、何か食べたい、そんな子どもたちが居なくなることを、ずいぶん前から願ってきました。自分には何ができるのでしょう?

豆はおなかを空かした人たちの空腹を満たし、栄養があって、栽培するのに使う水や肥料が少なくて済み、しかも肉などに比べると安く手に入ります。常温で保存でき、輸送しやすく、水に戻すとほぼ倍の重さに膨らむ。豆のいいところ、たくさんあります。

 

外に出て人様の話に耳を傾けることは、偏った自分の考えを見つめ直すことにつながります。このような機会に参加させていただけたことをうれしく思います。

ちゃんと考えて、ちゃんと行動します。ありがとうございました。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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