豆は「しあわせ」のタネである

ふるさとの「あずき雑煮」を作る

睦月のうちに

仕事で日本各地の雑煮について調べ、原稿を書きました。その中の一つに、私の実家の雑煮についてもふれました。

元旦と鏡開きには、香川のあん餅雑煮を作ったから、そう言えば今年は実家の味を作っていない‥‥

今年は、と言うより、あの雑煮は実家で食べる雑煮で、京都に住んでからは京都の白みその雑煮を作ってきました。京都人の真似をして頭芋を入れたり、くわいを入れたり、海老芋を入れたり、数種類の雑煮を作ってきました。

実家の雑煮は、父が亡くなり母ひとりになってから、もう作っていないようです。具がいっぱい入る手間のかかる雑煮です。

でも、原稿に書いたし、母も作らなくなったのなら、私がこっちで作ろうと思い立ち‥‥

 

宝珠山×八女の雑煮

昔、福岡県朝倉郡宝珠山村から、福岡県八女市に嫁いだ祖母が伝えた味だと聞いています。もう、80年以上も昔から、実家ではあの雑煮が作られていたことになります。

食材は、あずき・昆布・スルメ・鶏肉・里芋・レンコン・大根・人参・丸餅・ネギ

調味料は、塩と薄口醤油

作り方は、

①あずきは別茹でにして、程よい柔らかさに茹でておく

②里芋とレンコンは皮をむき、適当な大きさに切って下茹でする

③昆布とスルメは1センチ角に切り、水に浸しておく

④人参と大根も適当な大きさに切っておく(できれば乱切りではなく、細めのものを丸い形のまま、3ミリ厚さくらいに切る)

⑤鶏肉は適当な大きさに切って、フライパンで焼き目をつける

⑥ ③に水を足して④を加えて沸騰させ、①、②と⑤を鶏油も一緒に入れて10分ほど茹でる

⑦アクが浮いてきたら、すくい去る

⑧塩、淡口醬油で味を調える

⑨丸餅を加え、更に5分ほど茹でて、野菜の煮え具合と餅のやわらかさを確認し、火を止める

⑩器によそい、小口切りにしたネギを散らして出来あがり

 

早稲田大学のMさん、ありがとう

八女の実家の雑煮は、昆布とスルメと鶏肉とあずきから出汁が滲み出して、鍋の中で一つになって独特の味を醸します。茨城の叔母に言わせると、「八女で初めて食べたお姉さん(私の母)のお雑煮は、とっても美味しかった。今でもあの美味しさは忘れられない」とのこと。

福岡県八女市の雑煮は、正月になると、茨城県つくば市で叔父が作るそうです。叔母いわく「お父さん(叔父)の雑煮は最初ちっとも美味しくなかった・笑」そうですが、30年、40年もすると、それが叔父の家の味になっているのだとか。

昨年師走、豆なブログに問合せをくださったMさんのおかげで、昨年末から今年にかけて、改めて実家の雑煮について調べてみるキッカケとなりました。

母と話し、妹に訊ね、久留米から宝珠山に嫁いだ友人に電話して、茨城の親戚に連絡をとり、そのほか全国の知り合いにも「豆を入れる雑煮を知りませんか?」と多数に問い合わせをして‥‥

その後、Mさんの調査結果も教えていただきました。昆布とスルメ、あずきについて、Mさん情報のおかげで、ふるさとの傾向について、もう少し深く知ることができました。

京都暮らし12年目、今日、実家の雑煮を久しぶりに作ってみて、舌に記憶した味がよみがえったことで、自分のルーツは八女にあるのだなとしみじみとした心境になりました。

誰の心にもある「ふるさとのお正月の風景=雑煮の味」は、宝ものなのだと思います。日本の皆さん、高い高いおせち料理のお重を買うのもいいけど、家庭で作る一杯の雑煮を大切にすることにも意識を向けてください。

子どもたちが成長したとき、「ふるさとの味は百貨店のお節料理」と記憶されないように‥‥

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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