豆は「しあわせ」のタネである

大極殿本舗の花びら餅

お正月に一つだけ

花びら餅、毎年一つだけ食べています。家族の分や友人・知人の分も買って、送ったり届けたりしながら5個買っても、10個買っても、それ以上買っても、自分で食べるのは一つだけ。たくさん口にすると、ご利益が逃げてしまう気がするのです。

販売日と日持ちの関係から、京都に住んでからは『仙太郎』さんの花びら餅にお世話になってきました。そして今年は、栖園(大極殿本舗)の花びら餅が食べたくて‥‥ 帰省タイミングをずらすことに。

12月31日、雪。大晦日だけの販売に事前予約をしていなかったため、開店時間の9時を目指して行きました。

琥珀流し発祥の ▲ 栖園(大極殿本舗 六角店)ではありません。販売は、大丸 京都店に近いほうの大極殿本舗 本店▼ です。

念願の大極殿本舗 栖園の花びら餅。単品は税込 400円、竹の皿と黒文字・松葉がセットされたものは税込 520円です。

上生菓子も多数並んでいて、私は「初日の出/税込 520円」を選びました。

 

花びら餅をいただきました

元旦。今年の口はじめは、天神さんの「大福梅」を八坂さんの「おけら火」で沸かした湯にいれていただきました。2番目が花びら餅。

 

ほのかな桃色が、白いお餅に透けて見えます。餡は「白小豆、紅つぶあん」と店頭に記載がありました。白餡はふつうは手亡豆で作られることが多く、生菓子などの小豆以外の餡の多くは、手亡豆餡に色付けしたものを使われているのを見かけます。

白小豆は、高価な白餡に使われます。大極殿本舗の場合、「京丸太」という焼菓子にも白小豆餡を使われています。以前、豆類時報の取材で訪れた際に持たせてくださった白小豆は、北海道産より高価な「備中産(岡山県)」でしたから、花びら餅の白小豆もおそらく、備中白小豆なのだろうなと思いながら味わいました。

薄桃色に染まるあんこ、こし餡ではなく細やかな粒感がわかる餡でした。歯がための牛蒡より固焼きの肉桂風味の松葉が、めでたさを添えています。

「これが、大極殿本舗の花びら餅なのね」としみじみ。

「初日の出/税込 400円」には、白のこし餡が包まれていました。

海に昇る日の出を描いた生菓子、この時期だけの風情ある和菓子なのでしょうね。

味覚と視覚に届く日本の美、この国の繊細な感性は一朝一夕に身につくものでは無さそうです。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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