豆コレクション【金時豆】
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金時豆 キントキマメ
マメ科 インゲンマメ属
サイズ:長辺 約10〜18mm
赤いんげん豆と「白金時」
煮豆の王道「金時豆の甘煮」は、日本各地の郷土料理として旧くから親しまれてきました。あんこに使う小豆や手亡豆と同じように、ホクホクしたデンプン質が特長の豆で、中南米が原産。今日、その多くは北海道で栽培されています。
赤紫〜えんじ色をした金時豆は、別名「赤いんげん」とも呼ばれます。品種は本金時、大正金時、福良(ふくら)金時、福寿(ふくじゅ)金時、福勝(ふくまさり)、北海金時などがあります。在来種のやや小粒で色、味ともに濃厚な「さくら豆」「くり豆」なども、金時豆の仲間です。
また、同じようなサイズ、形状の色が白い金時豆を「白金時」と呼びます。代表的なものとして、ホクホクすっきりした味わいの福白金時が見られます。
食物繊維が豊富で、美肌効果も期待できます
いんげん豆の特長として、食物繊維が豊富なことがあげられます。同じ量で比較すると、ゴボウの3倍以上、ニラやサツマイモの6〜7倍も食物繊維を含んでいます。小豆や大豆、えんどう豆、そら豆より食物繊維の量は豊富。ほかに、ビタミンB1、カルシウム、カリウムも多く含んでいます。
金時豆は、肌荒れや便秘が気になる方、アンチエイジングや成人病を気にする方などにも、おすすめしたい豆です。
煮豆の代表格「金時豆の甘煮」からの脱却を
精進料理や仏事に欠かせない金時豆の甘煮は、煮豆としてだけではなく、菓子パン、和菓子などにも使われています。
香川県では金時甘煮に衣をつけ、天ぷらにする食べ方も郷土食として親しまれています。最近は、全国展開の讃岐うどん店などで金時豆の天ぷらを提供する店もあります。徳島では「豆玉」という名で、金時豆の甘煮入りお好み焼きを作るとか。
沖縄を旅した時に出合ったぜんざいは、「これでもか」と言うくらいたっぷりと金時豆が入っていました。全国的に愛される金時豆、その食べ方は「甘い豆」が大半です。
記憶の範囲で「甘くない金時豆」は、餅米に酒と醤油、金時豆を加えて蒸す「長岡赤飯」くらい。米どころ新潟を反映した食べ方だなと感心しました。
栄養豊富な金時豆をもっと食卓に登場させるには、やはり、甘い食べ方のみならず、副菜として気軽に用いることをおすすめします。それには、金時豆を少し細長くしたような形状の輸入豆「レッドキドニー」を使う料理をヒントにするのも良いでしょう。
カレーや煮込み料理に加えるなどの使い方は金時豆に限らず、いんげん系の豆全般に応用できます。生野菜より保存しやすく栄養価が高い金時豆は、甘煮にだけに留めておくのはもったいない、おいしい豆です。
☆金時豆の用途
甘煮、赤飯、天ぷら、煮込み料理、
スープ、カレー、サラダなどに。
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