豆は「しあわせ」のタネである

豆とSDGs(持続可能な開発目標)

2月10日は「世界マメの日」

2019年よりスタートした「世界マメの日」、今年がその第2回目となります。

しかし、それをご存知の方はごくわずかで、「これからいっそう広めていきましょう」というような主旨の集まりが先週、2月7日(金)の夕方〜、浜松町で開催されました。

今回は「マメとSDGs」をテーマにし、FAO(国際連合食糧農業機関)のボリコ所長やスタッフの田村さんからも、お話がありました。

SDGs(持続可能な開発目標)の17項目を達成するためには、豆が大いに役立つということを、今回の「世界マメの日」レセプションで気付かせていただきました。

最近まで「世界マメの日は、みんなで豆を食べましょう」ということを啓蒙する日だと思っていました。が、なぜ豆を食べるのが良いのか、深いところが欠けていました。

豆とSDGs、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 

SDGsとは

昨今、こんな画像や右下の丸いマークを見かけるようになりました。

SDGs(エスディージーズ)とは、持続可能な開発目標を意味し、2015年9月の国連サミットで採択されました。2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指そうとする国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

SDGsは発展途上国も、先進国も、それぞれが取り組んでいく普遍的な努力目標であり、日本も積極的に取り組もうとしています。

というようなことが、外務省のHPに書いてあります。

 

SDGsの17項目に豆を当てはめて考えてみました

1.貧困をなくそう

痩せた土地でも育つ豆は、荒れ地や水が少ない地域でも育ちます。明治、大正期に北海道の開墾をした人たちが、最初に植えたのが豆でした。

貧困地域が豊かになるためには、資金援助より永続的な仕事を作ることが不可欠。豆を栽培することで、土壌が良くなり、その土地の気候風土で育つ作物を栽培するための良い土ができれば、豆も育ち、豆より高い収入が得られる作物も育つでしょう。

 

2.飢餓をゼロに

世界人口の9人に1人(7億9500万人)が、今も栄養不良の状態にあるそうです。タンパク質や炭水化物、ミネラル類を多く含む豆類は、主食の代わりにもなり、栄養面でも優れています。しかも、保管がしやすく、他の食料より安価で手に入ります。

豊かな国が援助するのもありですが、やはり自分たちの口に入るものは自分たちで育ててこそ、生きたエネルギー源となるように思います。豆を植えてほしい。

 

3.すべての人に健康と福祉を

世界では、5歳を迎える前に命を落とす子どもが、毎年600万人以上もいるそうです。開発途上地域の妊産婦が命を落とす率は、先進地域の14倍にも上ります。

医療と薬と福祉、そして精神の安定と安らぎ。豆は健康なカラダ作りに役立つ食べ物です。

 

4.質の高い教育をみんなに

学校に通えない子どもの数は5,700万人と言われます。最貧層世帯の子どもが学校に通っていない確率は、最富裕層の子どもの4倍に上ります。

貧困地域に仕事が生まれ、大人たちに安定した収入があれば、子どもたちの教育にかけられるお金もできるかもしれません。子どもを働かせるのではなく、収入につながる仕事を作る、そのスタートが豆であっても良いと思います。

 

5.ジェンダー平等を実現しよう

多くの国で、女性がマメ類の栽培において主要な役割を担っています。マメ類の生産を促進することは、女性が働く場を作ることにもつながります。

土に向かい、収入につながるくらいの量の豆を栽培〜収穫することは、容易ではありませんが、働くお母さんの姿を見て、子どもたちにもきっと労働意欲が培われていくことと思います。

 

6.安全な水とトイレを世界中に

2015年の数字では、毎日、予防可能な水と衛生関連の病気により、平均で5,000人の子どもが命を失っています。利用できる水全体の約70%は、灌漑に用いられているそうです。

・・・この項目と豆のつながりは、今のところ思いつきません。

 

7.エネルギーをみんなに、そして、クリーンに

再生可能なエネルギーは現在、全世界のエネルギー供給の15%を占めています。エネルギーは気候変動を助長する最大の要素であり、全世界の温室効果ガス排出量の約60%を占めています。再生可能エネルギーの供給量が増え、世界の人々に行き渡ることを願います。 ・・・これも、豆との直接のつながりが思いつきません。

 

8.働きがいも経済成長も

自分の仕事がお金に換わることは、やる気と生きがい、生活の基盤を作ります。

豆を栽培することが、生活の糧となるくらい確かな収入につながることを願います。また、豆の流通に携わる人、豆を販売する人、調理して提供する人など、豆に関わるすべての人が適正な対価を得、経済が回っていくことを願います。

 

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

これをどう捉えるか‥‥ 

 

 

 

10.人や国の不平等をなくそう

「国内、および国家間の不平等を是正する」とありますが、不平等を是正するには、相手に対する尊敬の念と、相手と正しく会話できる人間力や知識教養が必要です。

豆にできることは、何でしょう? 正しい対価で買われることが、不平等をなくすことにつながればと思います。

 

11.住み続けられるまちづくりを

世界人口の半数に当たる35億人が現在、都市に暮らしています。地球の陸地部分のわずか2%にすぎない都市は、エネルギー消費の60〜80%、炭素排出量の75%を占めています。

都市に暮らす人のエネルギーの使い方を見直し、緑化を推進。屋上庭園や夏の陽よけに、朝顔やヘチマなどに替え、スナップえんどうや三度豆など、莢ごと食べられる野菜豆の栽培を試みてみてはいかがでしょう。フードマイルを減らすことも、地球のために有益です。

 

12.つくる責任、つかう責任

毎年、13億トンの食料が無駄に捨てられています。2050年までに世界人口が96億人に達した場合、現在の生活様式を持続させるためには、地球が3つ必要になると聞きます。

食料を無駄にしないために、保存しやすく、食べる分だけ水戻しして使える豆は、役に立つのではないでしょうか。消費者は、作り手が生活していける適正な価格で食料を入手してほしいものです。

 

13.気候変動に具体的な対策を

乾燥地でも生育が可能なマメの種が多くあります。干ばつに強いマメ類の栽培は、極端な異常気象をもたらす気候変動の適応策にもつながります。

大気中の窒素を取り込む窒素固定により、マメ類は化学肥料(温室効果ガスの排出源となる)の使用を減らすことができます。また、製品化するために大量の水とエネルギーを要する牛肉や豚肉などに替わる大豆を使った代替肉の開発が進むなど、豆の持つ新たな可能性に期待したいものです。

 

14.海の豊かさを守ろう

海洋は地球の表面積の4分の3を占め、地球の水の97%を蓄え、体積で地球上の生息空間の99%を占めています。海洋は、人間が作り出した二酸化炭素の約30%を吸収し、地球温暖化の影響を和らげています。

農業に大量に使われる硫酸アンモニウム(硫安)は土地を酸性化し、河川〜海を富栄養化します。それにより、プランクトンの異常発生の原因にも。化学肥料の使用を減らす豆を栽培することは、めぐり廻って海の豊かさにもつながるのではないでしょうか。

 

15.陸の豊かさも守ろう

豆を栽培することによる土壌環境の向上は、土壌浸食や枯渇のリスクを下げ、気候変動を緩和することにもつながります。

輪作障害を解消するためにも、豆を栽培サイクルに組み込み、豆殻を土に鋤き込むことで、持続可能な農業に貢献します。

 

16.平和と公正をすべての人に

「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」と書かれています。半分、意味不明?

・・・豆は、関係するでしょうか?

 

17.パートナーシップで、目標を達成しよう

FAO は2019年 12 月に、GPC(Global Pulse Confederation/国際豆類連合 )と3 年間のマメ類生産の推進やマメ類の持つ高い栄養価についての啓発などを目的とした パートナーシップを締結しています。マメ類の分野で、SDGs に共に取り組むパートナーシップが形成されています。

<参考資料>

外務省ホームページ「JAPAN SDGs Action Platform

FAO 駐日連絡事務所「マメとSDGs」発表資料

 

以上、豆とSDGsの直接の関係性が見出だされたものの見出しを太字で表しました。豆好きな人間の偏った発想も含みつつ、SDGs17項目のうち、豆とSDGsが関係するのは11項目考えられます(2/12 知人の助言を得て、13項目となりました)。

国連が制定するSDGsと、FAOやGPCレベルで捉えた豆の役割や貢献は、私たちの暮らしと少し遠いところにあるものも‥‥。 豆とSDGs、まずは意識してみることから始めたいと思います。

 

2030年、あなたは何歳になっていますか?

その時の地球や、あなたの家族や友人、仲間たちの姿が浮んできますか? 2030年も、皆が元気に笑って過ごしていることを願う次第です。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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