豆は「しあわせ」のタネである

【丹波篠山】デカンショ豆〜枝豆品種と産地での購入

丹波篠山にて

丹波の黒大豆、丹波篠山の黒枝豆、どちらも秋から冬にかけて高値で取引されるブランドものの逸品です。10月ともなれば、丹波篠山の中心部はクルマが渋滞し、前に進むのも高速道路に入るのもひと苦労。町全体が、収穫の恩恵に預かり大賑わいです。

そのシーズン以外にも町に賑わいを、と始まったのが、夏枝豆である「デカンショ豆」の栽培。数年前から実験的に始まって、私は2021年に存在を知り、翌2022年の夏から味わわせていただいております。

この夏も味わいたいと願っていたところ、ちょうど丹波篠山での仕事が入り、帰りに知己の『丹波たぶち農場』に寄せていただきました。

 

500g入り 750円、まだ試験販売ですか?

たぶち農場の田渕専務とは懇意にしていただいており、事前にご連絡して枝豆を分けていただくことができました。

の「1袋ずつ3人分お願いします」「おいくらですか?」

た「500g入りは、750円です」

の「え、まだ試験販売ですか? 安すぎるでしょう?」と。

帰ってさっそく食べようと「前塩」をしていて気づきました。この豆、無選別だ・・・

1粒豆も4粒豆も、キズものもヤセも、収穫されたときのまま入っていました。「あ、だから安いのね」と、納得。

ふだん、ギフトやネットで購入するような枝豆は、2段階、3段階の選別が行われています。

脱莢時の簡易な機械選別、目視による人の手で選別、高度な機械で重さやNG豆のAI選別・・・ すると、最初に収穫した豆のサヤ全体から随分減って、2/3とか半分とか、もしかするとそれ以下に減ってしまいます。

酒米を精米するようなもので、大吟醸の削りが多くなるほどお酒は高価になっていきます。それと同じように、枝豆や乾燥豆も選別が進むほど高額になります。

今回のデカンショ豆は、枝豆のさやを水洗いすべく袋から出して、状態を見ていたら安価の所以がわかりました。1本の枝に20サヤ、30サヤ付くとしたら、育ち具合が異なるのは当然のこと。豆粒の太り方が未熟で薄っぺらい豆が混じることは避けられません。

 

デカンショ豆の初モノ、おいしくいただきました

ギフトではなく自分で食す「ご家庭用」として分けていただいた枝豆です。1粒サヤも、4粒サヤも、キズ(傷)も、ヤセ(痩せ)も一緒に前塩し、いつものごとく蒸し茹でで調理。

思った以上に甘さと旨みが感じられました。

通常は品種を伏せて、独自にネーミングされている産地が多いのですが、たぶち農場では、品種は「こいひめ」と明確に表示してくださっていることも、ありがたい。

この枝豆が味わえるのは、8月上旬まで。「丹波たぶち農場 デカンショ豆」で検索して、注文してください。

丹波篠山の昼夜の寒暖差が、枝豆をおいしく濃厚な味に仕上げてくれています。田渕さんたちが、真っ黒に日焼けして畑で専心栽培してくださっていることも、おいしさの由縁。

午前中に伺うと、圃場で枝豆狩りもできます。事前予約が必要です。

ホント、うまいです。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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