豆は「しあわせ」のタネである

とうふ屋さん巡り

1年で400軒のとうふ屋が閉店している

少し前に、東京の全国豆腐連合会に伺って事務局長さんからお聞きした話。「1年に500軒の豆腐屋が閉店し、100軒が新たに誕生しています。差引400軒が年間に減少しています」と。

日本国内から、1年に400軒の豆腐屋さんが消えていると言うのです。あぁ、そんな‥‥!

あれからその話はずっと脳裏にあって、正にそれを実感する出来事が続きました。

 

京都市南区のおとうふ屋さんを巡る

毎日新聞に「とうふ屋のある町は いい町だ」という連載を書いています。月に1軒、おとうふ屋さんを紹介するにあたり、常日頃からおとうふ屋さんをめぐっています。

これまでに紹介したことがない京都市内の区が2つ。南区と山科区、その区にも「とうふ屋のある いい町」があると信じて、南区のおとうふ屋さんを回ってみることに。

京都駅から徒歩5分のところにあるおとうふ屋さんへ地図を頼りに行ってみると‥‥ 見つかりません。酒屋さんに訊ねてみると‥‥ 既にとうふ屋さんをやめて、ビルの1階、とうふ屋さんスペースはほかに貸しておられるとお聞きしました。

東九条の今村豆腐店、いまはもう営業されていません。

次に訪れたのは、西九条のとうふ屋さん。山本とうふ店を訪ねて行くと、そこも既に閉店されたとのこと。表通りの酒屋のおばあちゃんが「確か2、3年前に病気でやめられましたよ」と教えてくださいました。

せめて、お店をされていたところだけでも見て帰ろうと思って行くと、近くの銭湯にも閉店の貼り紙が見えました。とうふ屋さんと銭湯、京都の財産だと思うのです。無くなるのがさみしい。

そこからもう1軒、萩野とうふ店を探して歩きました。

良かった、こちらはちゃんとお店がありました。銭湯のジュースが入っているような冷蔵庫に、おとうふやお揚げ、おからボールが見えました。

 

そして、三条商店街へ

日を改めて今度は中京区の三条商店街へ。こちらには以前、豆乳ドーナッツを買った記憶がある豆腐屋さんが‥‥ 山崎豆腐店だったと記憶しています。

堀川通側から入って、自転車でずんずん進んで行くと、記憶では左側にあったはずで‥‥ パン屋さんを過ぎ、公園を過ぎ、100均さんを‥‥ 100均さんは休業中。うぅ、とうふ屋さんが無い‥‥

三条商店街の右側のスーパーあたりまで来て、「こんなにこっちじゃない」と思いながら洋服屋さんに訊ねてみると、やはりお豆腐屋さんはやめられたと聞きました。去年だったかな、と。

今週、私は6軒のおとうふ屋さんに行きました。京都市内のとうふ屋さん6軒のうち、3軒が閉店されていました。あぁ、このままではいけない。

1年に400軒消えるとすると、都道府県の数47で割ったら、平均して1都道府県に8.5軒が消えていく計算です。さみしい。

味のあるいい地域のとうふ屋さん、町のとうふ屋さん、京都のあちこちに在り続けてほしいと願うばかりです。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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