雑食 * 模索中
「これから、豆はアリだと思います」
11月に3軒目オープンを進めている飲食店オーナーとの話で、
「これだけ食べ物が出尽くしたのだから、世間もそろそろ持ちゴマがなくなってきてるはず。6月にあなたが主催した豆イベントに参加したおかげで、僕も少し豆に関心が出てきました。これから、豆はアリだと思いますよ」と。
だいたいの方は、あまりに豆好きすぎる私に合わせて豆を持ち上げてくださるけど、たいていその場限り。だから、約束したのです。
「店で出せるようなヒット予感のレシピができたら、本当にメニューに加えていただけますか?」
「もちろんです。僕らもお客さまに新しい提案をしつづける必要があります。だから、豆のことをやっているあなたが、これはイケルと思うものができたら、僕に味見させてください」と。それもおそらく半分本気、半分お付き合いのお返事なんだろうと思いつつ‥‥
ハッピーは、おいしいの隣にある
私の願いは、一つ。
世の中に豆好きを増やすこと。豆を食べる人を増やして、需要をつくり、日本国内の生産者さんが安心して豆を作り続けていただけること。海外の豆も入ってくるのであれば、消費者にとって日本と海外のそれぞれの良いところを取り入れながら、日本の生産者さんも、海外の経済も(少しでも)潤うこと。
そのためには、自分にとって不利なことに不平不満を漏らすより、知恵と熱意をもって道を切り開くこと。別に私は生物学者のような豆の専門家でもないし、料理のプロでもない、ただの素人の豆好きですが‥‥ 畑で農作業する大変さを少しだけ知っています。泥まみれの田んぼや、息切れするほど広い畑の豆の収穫や、手選り選別の目がしばしばしてくる感じ‥‥ ちょっとだけ経験させてもらったから、自分が使わせていただく豆の1粒を大事にしたい。
手間をかけるとか、お手軽とか関係なく、誰かのことを思いながら作ったものを「おいしい」と食べてもらえる手伝いがしたい。
「ハッピーは、おいしいの隣にある」ふだんから、そう言い続けています。だから「おいしい」をいっぱい作って、ハッピーな気持ちになる人を増やしていこう、と。
素人が「素人発想で考える豆料理」と「おいしい」が、どこまで通用するか、やってみようと思います。O社長、チャンスを与えてくださって、ありがとうございます。
最近の食べた中で印象的なもの
若い人が感じる「おいしい」とは?
流行っている店の「おいしい」とは?
生産者さんが言う「国産ならではのおいしさ」とは?
自分にとっての「おいしい」が、世の中の「おいしい」とは限らない。豆だけ食べていてもわからない。だから、いつも私は雑食です。テレビでやってる流行り食材も、一応いっぺんは試してみます。
これまで味わったものの蓄積と、新たに出合う味の研究と、記憶の再確認。できる中での最善を尽くしながら、ひとつのレシピを創るまでにはエネルギーを費やします。
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