食育シンポジウム 〜和食 再発見〜 に参加しました
8/5 京都リサーチパークにて村田吉弘氏の講演を聴く
シンポジウムの第一部 基調講演で、菊乃井 村田吉弘氏のお話が聴けるということで、事前申込みをして行ってきました。気になった箇所のおぼえ書きです。
(聞き違い、認識違いがあれば訂正しますので、コメント欄よりご連絡ください)
・村田さんがひいた出汁の試飲が用意され、電気ポットを使ってひく現代の出汁のひき方も教わった。
・和食がユネスコの無形文化遺産に登録されるのに、京都府 山田知事が多大な貢献をされたこと。山田知事は急性膵炎を発症され、以降、和食と和菓子を食べるようになり、体重が6〜7kg減ったそう。
・和食が無形文化遺産に登録されてから、世界に56,000軒あった日本料理店は、今や91,000軒に増加した。いずれ「日本料理は世界の料理」になるだろう。
・日本料理ではなく和食、WASHOKU として文化遺産に登録された。「遺産」ということは、和食は絶滅危惧種に近いということ。皆で意識して守っていく必要がある。
<以下、4つの観点から登録に至った>
和食は、四季の情感が料理に映し込まれている
和食は、素材の持ち味を大切にしている
和食は、栄養バランスに優れている
和食は、国民の生活と密接な関係がある
・京都はパリよりパン屋が多く、ミラノよりイタリア料理店が多い。
・芸術文化振興法において、対象となるのは華道、書道、茶道のみだった。そこに食文化も加わった。「食は文化なり」、今後は食の分野で大いなる事を成し遂げた人にも文化勲章が授与されることになる。
・日本料理の本質は、引き算の料理である。味は添えるものであって、味付けするものではない。
・日本料理は、少量多品種の食材を用いて作る低カロリーの料理である。
・日本料理は、旨味を中心に料理を構成している。
・うま味成分はカロリー0、ということは出汁を丼鉢2杯飲んで食事を始める出汁ダイエットは、あり得る(笑)
・フレンチ、イタリアン、チャイニーズ、いずれも脂質と油脂分で美味しさを表現する。日本料理はノンクリーム、ノンオイル、ノンバターで、1滴の油も使わずに作ることができるヘルシーな料理である。
・京料理は寸法の料理。決まった寸法で、決まったように作られ、口中体積における食品の大きさが計算されている。一献は15cc、鯛のお刺身は15g、鮪を切るときは一寸。ひと口大とは一寸に切りそろえること。寸法が合っていないと美味しくないのだ。
鯛の切り身5切は60g、お茶席のお菓子は45gである。ただし、虎屋と鶴屋吉信は50g
◎意識してモノを見ること。その機会が増えれば増えるほど、物事がわかるようになってくる。
パネルディスカッションにて
パネリストは村田氏以外に、京都府味噌工業協同組合理事長である本田味噌本店の本田茂俊社長、京都府醤油工業協同組合理事長である丸五醤油醸造 太田壱将社長、福島鰹の福島武彦常務が登壇されました。
コーディネーターは龍谷大学の山崎英恵先生、とてもキレイな方でした。
・味噌の「噌」の字は、味噌にだけしか使わない漢字である。「噌」には、かまびすしい、やかましい、という意味がある。
・醤油には消臭効果(魚の臭みを消す)、静菌効果(塩分、アルコール、酸が含まれるため、大腸菌が死滅する)、緩衝効果(口あたりをやわらかくする)、抑制効果、相乗効果がある。
・味噌組合で子どもたち向けに味噌づくり教室を指導されているが、本田社長は個人的に反対なのだそう。理由は‥‥
・食育は元 小泉総理の時代に始まった取り組み。本質は、日本を愛する子どもを増やすこと。地域の子どもに、地域を愛する心を持ってほしいとの願いが込められている。
・食育のような取り組みは、昔は必要なかった。お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんが子どもたちに伝えていたことが伝えられなくなった今、社会全体で取り組むようになってきた。もしかすると、対象は子どもたちだけではなく、20代、30代の大人たちにも食育が必要なのでは‥‥
13時〜16時まで、意味あるお話をお聴かせいただきました。
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