豆は「しあわせ」のタネである

アリス・ウォータースさんシンポジウム2

昨日の豆なブログのつづき、です。

4月21日(土)滋賀県大津市の「びわ湖ホール」で開催されたシンポジウムに参加しました。テーマは、

アリス・ウォータースさんに学ぶ「食・農・暮らしの持続可能な未来」

たくさんの気付きをいただきました。以下、アリスさんのお話やパネルディスカッションの内容から、記録に残しておきたいメモ書きです。

 

スロウフード・カルチャーは多様性を大切にする

・家、iPad、クルマ、おもちゃ‥‥ 人はモノが一体いくつあれば満足するのだろう?

・美しい料理はキッチンでの心づかいを見せてくれる。美しい厨房は、働くスタッフが大切にされていることを感じる。それと同じように、美しい教室は生徒が大切にされていることを示している。

・米国では学校のカフェテリアで、ファストフードが無料提供されている。

・ファストフードには、食べ物から本当のにおいがしない。

・スローフード・カルチャーは多様性、寛大さ、美しさ、協力すること、シンプルであることを尊重する。食のパワーは人を、社会を変える力となる。

・日本には美食の文化がある。素晴らしい、美しい文化は、ファストフードと戦う文化である。

・バークレーで始まったサプライネットワークは、学校が農家を守る仕組み。学校の給食に、その地域の農家さんの食材が使われる。オーガニックで食べ物をつくる地元農家から、学校が直接購入する。それは、地元に根付くスローフード・カルチャーである。

・「あなたが毎日食べるものを教えてください。そうすると、あなたの人となりがわかるから」

・キッチンのドアから、食を通じて社会を変える改革は「おいしい改革」

 

エディブル・スクールヤード

エディブル・スクールヤードは、1995年にカリフォルニアで始まった学校教育での取組み。中学校の工程に菜園とキッチンをつくり、食を通じた持続可能な生き方のための学習が始められました。現在では64ヶ国、5,510校がネットワークに参加しているそうです。

日本では滋賀県がエディブル・スクールヤードに名乗りを上げ、動き出しました。

アリスさんは、前日に滋賀県の小学校に赴き、子どもたちと畑に行き、話をしました。「子どもたちの真っ直ぐな眼差しに希望を感じた」と言われます。「滋賀のために万全のサポートをしたい」とも。

アリスさんと共に、滋賀県の三日月知事、大津市の越市長、Think the Earth の上田理事もパネルディスカッションで話をされました。モデレーターは、ピーター・D・ピーターゼンさん。

 

最後に知事さんや市長さんらが、「学校と農家がつながる滋賀らしい『おいしい革命』を実践すべく、未来に責任をもった取組みをして行きたい」と力強く述べておられたのが印象的でした。

滋賀経団連会長さんは、「人・自然・社会が『健康』をキーワードに、食べるもの、食べること、食べ方を考えていきたい。食・農・暮らしの持続可能な未来に向けた取組みを、滋賀から日本に発信したい」と結ばれました。

 

滋賀はスゴイ県だと思う

京都に暮らして8年。「京都の人は、どうしてこんなふうに、奈良や滋賀を下に見るような物言いをするのだろう?」と、何度も感じることがありました。「京都の人は、びわ湖があるから蛇口から水が出るのに‥‥」と思っていました。

三日月知事は言われました。「滋賀では下流のことを思いやり、びわ湖にきれいな水を流そうと努めている。日本で最初に、最大の環境こだわり農業に取り組んでいきたい。未来のあらゆる生き物を守るため、消費者の共感を得ながら続けていきたい」と。

講演会場となった、びわ湖ホールの窓からは、樹木とバンガローのような建物の向こうに大きな湖が見えました。

遠く遠く広がるびわ湖は、湾のようにも見えました。びわ湖は滋賀県民の誇りであり、宝であり、志を立てる礎なのだと感じました。

 

滋賀県の小学校の取組みについても、後日書きます。

 

◆シンポジウムの概要が滋賀県のHPに掲載されました

〈5月30日〉 追記します

http://www.pref.shiga.lg.jp/a/kikaku/sdgs/symposium_2017.html#alice

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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