豆コレクション【黒大豆】
全国 道の駅「豆コレクション」サイト用に書いている原稿です。
黒豆/黒大豆(くろだいず)
マメ科 ダイズ属 ダイズ種
サイズ:長辺 約20〜35㎜
黒大豆の聖地・丹波篠山と京丹波
黒大豆とは読んで字のごとく黒い色をした大豆のことで、多くは「黒豆」と表記されています。「お正月の黒豆」で知られる黒豆も、味噌や豆腐の原料になる大豆の仲間です。
沖縄の豆で「黒豆」と記載がある豆は、黒い色の小ぶりなインゲン豆をさすこともあります。沖縄の黒豆と九州から北海道にかけての「黒豆」は時に別モノの場合もありますので、沖縄の「黒豆」はご用心。
大豆は弥生時代に朝鮮半島を経由して中国から渡来し、黒大豆は平安時代には日本で栽培されていたことが文献に残っています。
また、1734年創業の丹波篠山「小田垣商店」では、この地域特有の大粒品種の黒大豆を「丹波黒」として世に広めたことで知られています。高級料亭で使われるような大粒の黒大豆を「飛切極上」と称し、高級豆の代名詞として煮豆愛好家からも珍重されています。
それに対し、「新丹波黒」の名で京丹波で栽培される黒豆も、群を抜く美味しさと大きさを誇ります。昼間と朝晩の寒暖差、土の性質が美味しい黒大豆を産出できるのだと聞きました。小規模農家が作られたものをJAなどに集め、そこから全国に販売されています。
いずれも、完熟した黒豆のおいしさは抜群で、熟す前の若いうちに収穫する「黒豆枝豆」は、また絶品です。通常の枝豆や茶豆の枝豆とは、また一味ちがう独特のふっくらとコクのあるおいしさは病み付きになるでしょう。
北海道産の黒大豆
丹波篠山や京丹波が高級黒大豆の代名詞とすれば、季節を問わず通常の食品売場に並ぶのが「光黒」や「祝黒」などの北海道産黒大豆です。道の駅では、地元で穫れた黒大豆と北海道産のもの、両方を並べておられるところを何度か見かけました。
どちらも黒々と立派な大豆です。黒大豆の特徴として、新鮮な豆ほど、黒い表面に白い粉をふいたように白っぽくなります。それは磨きが浅いからではなく、新鮮な証拠です。皮に傷が入らないよう、丁寧に水洗いして使ってください。
黒大豆の黒はアントシアニンの宝庫
大豆は豊富に含まれるタンパク質の多さから「畑のお肉」と呼ばれることは、よく知られています。一般の大豆はタンパク質3割強、炭水化物3割弱、脂質2割強‥‥といった比率で構成されます。黒大豆は炭水化物4割弱、タンパク質1割強、脂質1割弱‥‥というような比率で構成されています。従って豆腐や味噌、納豆などに加工するよりも、豆本来のおいしさを生かす煮豆や豆菓子などの食べ方のほうが合っているようです。
黒豆の成分で特に注目されるのは黒い色素のもとになっているアントシアニンという成分です。水に浸しておくと紫色に溶け出したり、炊込みごはんにすると白米が薄茶色に染まるのがアントシアニンです。これはポリフェノールの一種で、抗酸化作用にすぐれ、活性酸素の働きを抑制する効果があります。
黒大豆は古くから漢方薬として滋養強壮や痛み止め、毒消しなどに使われたり、民間療法で喉の薬としても使われてきました。
黒豆の栄養についてインターネット等で調べてみると、血液サラサラ、ガンや生活習慣病の予防、便秘予防と改善、老化防止、骨粗鬆症の予防などに加え、ダイエット効果、アンチエイジング効果、美肌効果、冷え性予防、イライラを減少させ‥‥ など、実に様々な効果がヒットします。しかし、黒大豆もまた食品のひとつであり、1日や2日食べただけで著しい効果が現れるものではありません。日常的に黒豆茶を飲む、黒豆をふだんの料理とうまく合わせて積極的に口にする、などの心がけで、上手に長く頻繁に採り入れてください。
☆黒大豆の用途
甘醤油煮、豆菓子、製菓材料、きな粉
煮込み料理、サラダ、炊込みごはん、黒豆茶 など
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