豆は「しあわせ」のタネである

奥村 彪生さんのご講義をお聴きしました

リカレント学習講座 京都「和食の文化と科学」

昨秋から受講しているリカレント学習講座の4回目は、伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)先生の「おせち料理に見る和食文化」についてのご講義でした。

サブタイトルは、〜「おせち」とはなんどすか 奥村先生の京ことば、やわらかな話し言葉が耳に残っています。昨年10月に傘寿をお迎えになったという奥村先生は、軽やかに朗らかに柔和に「雑煮」と「重詰料理(重引、組み重)」についてお話されました。

 

・正月に「おめでとう」と挨拶を交わすのは、齢をかさねることをめでたいこととして祝う言葉。

・お屠蘇は歳の若い人から飲むのが順序。

・餅は中国から伝わった。「この餅には稲霊(いなだま)が宿っている」として、古のお年玉は餅を贈った。お金は後に餅の代わりに使うようになった。

・丸い餅が餅を搗く文化を引き継ぐ正式なスタイル。伸した角餅は簡略型。

・正月に食べる聖なる食べ物は「雑煮」。おけら火を用いて火を新しくし、浄化した火で竃の神さまをお迎えし、若水で雑煮を炊く。その雑煮を汚さないように火を使わず食べられるようにこしらえたのが、俗に言う「おせち料理」で、重詰めにした冷たい料理。正月の3日間は、竃の神さまに敬意をはらい、雑煮のみを食していた。

・雑煮は「一味同心」の食べ物。開運を願い、縁起をかついだ食べ物を一つ鍋で煮て、心をひとつにする。家族、親族で分かち合って食べる聖なる食べ物である。

・お椀は「内朱外黒」が男性用、「内朱外朱」は女性用に用いた。

たくさんメモした中からの「おぼえ書き」です。

 

小豆汁文化圏と「あん餅雑煮」

本日のご講義でも紹介された「日本の雑煮文化圏図」を、私はかつて見た記憶がありました。

旧・豆なブログの2014年12月16日、だし工房 宗達さんの料理教室で、お雑煮について習った時ちょうだいした資料が、奥村先生の雑煮文化圏でした(リンク先のMapをクリックすると大きくなります)。

最も興味を覚えたのは、出雲・松江・米子・鳥取の小豆汁文化圏です。ぜんざい餅のような、あずき雑煮だそう。

 

また、香川高松・丸亀では「あん餅雑煮」を食べると見せてくださった画像は‥‥

昨年のお正月に、私は「あん餅雑煮」を食べています。

北大路VIVREの正月イベントでいただきました。白みそ仕立てにカツオ風味、粒餡の焼き餅でした。

 

あぁ、「小豆汁雑煮」と「あん餅雑煮」を本場で食べてみたい。と、またしても思いました。来年の正月は、出雲あたりか香川へ、行ってみようかなぁ‥‥

「孫引きはするな、現地へ足を運べ」、奥村彪生 先生も、そのように述べておられました。

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  1. 2018年 1月 07日

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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