あん炊き10年
NHK プロフェッショナルで視たあんこ炊き職人のあんこ
4月2日のテレビで放送された「疾走、あんこ道〜菓子職人・小幡寿康」さんのあんこの炊き方を録画して、何回も見ました。
小幡さんは全国の和菓子屋さんや製餡屋さんに、あんこの炊き方を指導して回る「放浪の菓子職人」なのだそう。
私はこれまで、映画「あん」で観た、樹木希林さん演じるおばあさんの炊き方を参考に、ほかで覚えた炊き方にアレンジを加えて作ってきました。それで完璧とは思わなかったけど、「以前のあんこより随分おいしくなった」と思っていました。
だから、小幡さんの型破りな炊き方は驚きでした。
放送日の翌日から出張や仕事に追われて、この度の大型連休でようやく小幡さんの炊き方を試してみることができました。
水浸けなし、いきなり熱湯をかける
小豆はほかの豆と違って、白いヘソの部分からしか水を吸収しません。小豆を使う時は水洗いしたら直ぐ煮始めます。最初の煮汁はアクが出るから捨てて、新しい水で煮始める「渋切り」も、あずきを炊く際の王道です。
プロのあんこは、おおかた前日に水浸けして小豆のアクを抜き、火の通りをよくして炊き始めます。
しかし、小幡さんは小豆にいきなり熱湯をかけて、あんこ炊きを始められました。
水はダメと言われていたけど、小豆を洗わずに使うの???
→ わからないから、布巾で磨いてから熱湯をかけました。
沸騰させて弱火に落とし、数分たってまた沸騰、そして弱火を数回繰り返し。
小幡さんの炊き方‥‥ 邪道ですが、IHで銅鍋は使えず、ステンレス鍋で炊きました。だから、銅鍋より火の回りは遅いはずで、‥‥計算して少し長めに熱を入れました。
小幡さんがパン屋さんを指導しておられるとき、自分が教えた昔のレシピを没にさせるシーンがありました。そこに、昔のレシピが映っています。小幡さんが没にしたあんこ炊きの方法を、映っている範囲ぜんぶ書き写しました。だって、すべてが没のはずないから‥‥
いったいどこがダメなのか‥‥ 番組中の言葉のやり取りや、指導時の言葉から読み取ろうとするけど、わからない。
皮がモサモサしないあんこ
10連休中に3回、あんこを炊きました。粒あんが苦手な人にも食べてもらった感想は「あずきの皮が本体と引っ付いてて、モサモサしない。今までのあんこより、かなりおいしいあんこ」と言うのです。
小幡さんの炊き方を参考にすると、あずきの風味を残し、あんこだけでも食べてしまうあんこになりました。
豆殺し、ヘソ外し、など試行錯誤でやってみています。この炊き方が合ってるのかどうか、わかりません。だけど、これまでより時短になるのと、風味が強くおいしい粒感のあんこができていると思います。
「あん炊き10年」は丹波篠山の和菓子屋さんで見かけた書にかいてありました。あん炊き10年は、毎日炊いている人のことで、私のようにたまに作る人は、10年やっても一人前にはなれません。
あんこ道、ホントに「道」かもしれないなぁ‥‥
おはようございます楽しく拝見させて頂きました。小幡さんのあんこに辿り着けません。35分で炊くというのはどうなんでしょうか?ピーナッツの様になります(笑)
ヒロさん、コメントをいただき、ありがとうございます。
35分というのは、あの番組中、あの小豆をあの量、あの鍋、火加減でたかれた時の時間で、条件が変われば小幡さんもおそらく調整されると思います。
「ピーナッツの様に」がどの様な状態か想像がつかず、何ともお返事のしようがないのですが、ピーナッツバターの様な、ということでしょうか?
小豆の豆粒を残す炊き方と、練って潰すのと、こしあんのように晒でこすのと、いろいろありますね。
目指すあんこが、どのように食べたいあんこか、あんトースト用、もなか用、あんパン用などによっても出来上りを変えています。
あん炊き、ほんと難しいですね。
はじめまして、
35分に関してですが、僕も何回も見直して確認しましたが、トータルで35分と言っていましたが、全工程35分で炊けるとは言及していせんでした。
多分ヘソを外すまでか、違う工程での時間だとおもいます。編集も時間が前後しているところがありますし(違う工程がカットインしている)、もっと重要なことは写ってないと思います。
別な番組では一時間半と言ってました。僕が実際やってみても一時間半はかかりました。
参考になれば幸いです。
ヨウさん、貴重なコメントをありがとうございます。読んで納得しました。
テレビで見て、小幡さん流を真似たつもりでも、それは一部をなぞっただけのことで、小幡さんが炊かれたあんこの実物がどんなあんこなのか、味わってみて初めて分かることも多いのだろうなと思います。
いつの日か機会があれば、小幡さんにお目にかかり実際に指導を受けたいものです。