2016 国際マメ年 ‥‥ 大豆は?
「2016 国際マメ年」の制定
2013年12月20日、国連総会において、2016年を International Year of Pulses(国際マメ年)に制定する決議が採択されました。もう、国際マメ年が始まっています。
「国際マメ年って、何?」の問合せをいただくことが増えました。ここで改めて、国際マメ年についてご紹介します。
◎国連食糧農業機関(FAO)から出された国際マメ年についてのリリースは、こちら
このリリースに記載されている内容から、
マメとは何でしょうか?
マメはマメ科の一年生作物で、大小さまざまな形、色をしている1から12の粒または種が1つのサヤに入った状態で収穫されます。マメは食料と飼料の両方に使われています。
「豆類(Pulses)」という用語は、乾燥穀物向けにのみ収穫される作物に限って使われています。
これによって、食料向けに収穫される緑の作物(野菜に分類される豆)や、主に油の抽出や播種目的のみに使われるマメ科の作物はこの「豆類」からは除外されています。(国連食糧農業機関の「マメと派生産物」の定義による)
マメはなぜ重要なのでしょうか?
レンズマメや(インゲン?)マメ、エンドウマメ、ヒヨコマメなどの豆類は、一般的な主要食物の中で欠かせない部分となっています。世界中の人々にとって、マメは植物性たんぱく質やアミノ酸の重要な源であり、肥満対策や、糖尿病や冠動脈疾患、ガンといった生活習慣病を予防、管理する上で、健康に良い食事を構成するものとして摂取されるべきです。家畜にとっても植物性たんぱく質の重要な源になっています。
さらに、土壌の肥沃向上に寄与する窒素固定作用を持ち、環境に好影響を与えるマメ科の植物がマメなのです。
ーーー以上、FAOのウェブページからの抜粋です。
え、大豆はちがうの??
国連食糧農業機関の定義を元に、一般の人にもわかりやすくと配慮して「豆類協会」さんが作られた資料がここにあります。私は昨年10月【身体に良い豆を食べよう 2015】に参加した際、藪光生 先生のご講演の中で「国際マメ年」を知りました。その会場でいただいた資料の一つが、この小さな印刷物でした。
中面左側ページの本文3〜5行目に書かれています。
「マメ(Pulses)については、インゲンマメ、アズキ、エンドウ、ヒヨコマメ等であり、油成分の多い大豆、落花生は含まれません」と。
この資料をご覧になった方から「大豆は国際マメ年には含まれないんですね」と、残念そうに言われました。
でも、どうしても「国際マメ年に大豆が含まれない」ことに湧いてくる疑問と異論を抑えられず、関係各方面に問合せをしました。
Pulses に大豆は含まれません
国連食糧農業機関が定めた国際マメ年の豆類(Pulses)は、主にデンプン質を多く含む豆をさしています。
国際的に見ると、大豆や落花生は油を搾るための油料作物(油の採取を目的とする作物。ナタネ・ゴマ・ラッカセイ・オリーブ・ダイズなど)であり、日本のように大豆を食用とする食文化がありません。
だから、国連の定義で「大豆」は、インゲンマメやヒヨコマメなどのように食べるための豆ではなく、油を搾るための豆なのです。
というようなお話を、本日問合せをした御三方からお聞きしました。ご丁寧に、ご親切に対応してくださり、ありがとうございます。その御三方とは、
・FAO 国際連合食糧農業機関 駐日連絡事務所のWさま
・全国豆類振興会のご担当者さま
・豆類協会のNさま
「大豆や落花生は、国際マメ年のマメには残念ながら含まれません。しかし‥‥ 」
大豆は日本の豆において欠かせません
「国連が定める国際年に豆を」と働きかけをされたのは、アラブ首長国連邦の Mr.Hakan(ハカン会長)だとお聞きしています。
国際マメ年採択の声明を述べられたパン・ギムン(潘基文)国連事務総長も、大韓民国のご出身のようです(調べた範囲では、おそらく‥‥)。
日本以外の国では、大豆を水にもどしてゆでて料理する、といった食文化が知られていないため、大豆を油料作物として豆から除外されてしまったのでしょうか‥‥?
大豆から豆腐を作る、豆乳や湯葉ができる、味噌や醤油にも大豆を使う、大豆から納豆ができる、‥‥そういった使い方など想像もつかないのかもしれません。あぁ、残念。いまや、「TOFU」「SOY SOURCE」「SOY MILK」は世界の食材として広まりつつあるのに‥‥
私が根掘り葉掘りしつこく質問させていただいた男性の皆さまは、最後に同じことをおっしゃいました。「正確には国際マメ年のパルセスに大豆や落花生は含まれませんが、だからと言って大豆を除外する必要はないと思います。豆の栄養や豆が大事な食べ物だと言うときに、大豆も一緒に食べましょうという大きな捉え方で良いのではないでしょうか」と。
豆・豆料理探検家、大の豆好きな私の考えも同じ。
せっかくの国際マメ年だもの、小豆やいんげん豆と同じように大豆もじゃんじゃん食べましょう。
International Year of Pulses を「国際マメ年」と訳したときに、言葉だけではなく、その意味までも日本に合うように訳せばよかったのにね。日本で「マメ」を言うとき、大豆を外せるはずがない。大豆は豆です。
大豆のイソフラボンは、女性にうれしい栄養が豊富。おじちゃんや子どもたちも、どうぞ、たくさん食べてください。
お豆腐や納豆もカラダにいいし、牛乳アレルギーの人でも豆乳なら大丈夫という方もおられます。日本ならではの大豆の食べ方を、世界の人たちにも広めていきましょう。そうすると2020年、2025年頃には、Pulses に「油料作物としての大豆ではなく、食用の大豆は含まれる」という注釈がつくようになるかもしれません。
ついでに、やさい豆は国際マメ年の定義から外れるみたいですが、野菜の豆が完熟して乾物の豆ができます。完熟、乾燥したパルセスが豆類で、その子どもである野菜豆が国際マメ年から外れるのも‥‥ 豆に仲間はずれはありません。
大豆も、野菜の豆も、あんこや豆腐も、ぜ〜んぶ一緒に「2016 国際マメ年」を機にあらためて注目され、みんなに食べてもらえることを願います。広く大きく、豆は豆! どの豆もおいしいですよ。
「2016 国際マメ年」が始まって、ようやく1ヵ月。まだまだ、世界レベルで豆の年が始まったことをご存知ない方だらけです。私は明日も、国際マメ年のことを皆さんにお知らせしていこうと思います。
*豆なブログは、可能な限り事実を調べて書いておりますが、五木のどか個人の見解も多々含まれています。ご意見、ご指摘のある方は、コメント欄からご連絡ください。
楽しく拝見させて頂いております 私どもも 大豆につきましては非常に重要と考えており この度 大豆ヨーグルトの開発結果を 2月3日 さいたまスーパーアリーナで開催する埼玉りそなの地産地消農作物マッチング会で発表することになりました。
日本の伝統色である発酵食品の代表格は、これまでお味噌でしたが、新しいカテゴリーとしてヨーグルトを加えたい。
私たちは そういう思いでこの大豆ヨーグルト挑戦しています。
皆様のご活躍 お祈りいたします。
根本さま
豆なブログへのコメントをありがとうございます。大豆ヨーグルトの開発結果に私も興味があります。
以前、クラッシュ大豆をヨーグルトにかけて食べることを思いつき、ブログに掲載したところ、発売元さんからとても喜んでいただいたことがあります。http://mame-mame-labo.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-54cf.html
大豆ヨーグルトが関西でも販売されるようになりましたら、ぜひ教えてください。
今後どこかでご縁がありましたら、よろしくお願いします。