法事の金時豆は、なぜ甘い?
金時豆の甘煮
むかし、法事や村のお祝いごとの集まりなどのとき、田舎では金時豆を炊いていました。いえ、私が炊いていたわけではありません。まだ私が、ちびっ子だった頃の話です。
少し煮くずれた金時豆の甘煮、口の中で甘く甘くとろける食感の金時豆が、大きな鍋にどっさりと入っていました。好きだったけど、その豆は何日も台所に存在しておりました。
また、近所の駄菓子屋さんには小袋に入った金時豆の甘露煮が売られていました。昔むかしの話です。
自分で金時豆の甘煮を作ったのは数えるほどしかありません。
どうしたことか、この度の法事に金時豆の甘煮を作ってみたくなりました。
・たくさん作りすぎてはならない → 北海道産の大正金時 150g入りの小袋を使いました
・甘すぎるほど甘いのは苦手 → すっきりした甘さに仕上げるべく「煮豆用氷砂糖」を使いました。
・できるだけ煮くずれないように「あずきのお見合い」を応用し、豆に甘さを沁み込ませてから煮ました。
仏さまにお供えした残りを、いつもと違うガラス容器に盛りつけて、母や姉にも食べてもらいました。
三回忌+五十回忌
親戚が集まって父の三回忌と祖母の五十回忌の供養を行いました。茨城・京都・北九州からも八女に親戚が集まりました。父の孫や曾孫ちゃん達も来てくれました。
「お父さんのおかげで、みんなが集まって良かったね」、お経のあと皆で食事をしながら、互いの近況や健康状態を話す時間を過ごすことができました。
金時豆の甘煮。‥‥豆の味もわかるように、すっきりした甘さに仕上げた金時豆は、翌朝母の手でリメイクされ、記憶の中の甘〜い豆がよみがえっていました。
「砂糖が遠かったから、足したよ。やわくなるようにソーダ(タンサン)も加えたから」と。
あぁ、泣きそう‥‥
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