阿川佐和子さんとレンズ豆
「やっぱり 残るは食欲」より
東京の友人からLINEにメッセージが届きました。
「今朝、新潮社の『波』を読んでいたら、阿川佐和子さんが楽しいエッセイを書いていらしたので、添付しますね」。2見開き分の誌面を撮った写真付きでした。
阿川さん、最近もテレビでおしあわせそうな表情を見たばかり。原稿を読み進めていると、それは阿川さんのレンズ豆との関わりを書かれたお話でした。阿川さん行きつけのビストロのシェフとのやり取りで、
「そうそう、ニンジンとセロリと玉ネギを粗いみじん切りにして、水洗いしたレンズ豆と一緒に油で炒めて、そこへ鶏のスープをひたひたに入れてしばらく煮込めば出来上がり。味は塩胡椒でじゅうぶん」と、シェフの言葉が記されています。
その様子が手に取るようにわかるから、寄り道してセロリを買って出勤しました。
レンズ豆と野菜の軽い煮込み活用
何かの付け合せにしてもヨシ、これに水を足してスープにしてもヨシ、鶏肉(手羽元やモモ肉など)や豚肉の角切りなどと一緒に煮込んでもヨシ。
レンズ豆の粒は小さいし、野菜も粗みじん切りにしてるから、主役を張るおかずには成りませんが、素材を引き立てる名脇役として活躍します。スープにすると、野菜の旨みを吸った豆がホクッとやさしい食感で、デンプン質のおいしさを伝えてくれます。
阿川佐和子さんの4ページ分の原稿に添えられた線画イラストは、料理そのものを描いたイラストではないけれど、活字だけでそのシーンを連想させる阿川さんの筆力は素晴らしいと思います。
阿川さんの原稿は、旦那さまが最初は褒めてくださったレンズ豆サラダを、途中から敬遠されるようになったと結んでありました。
ふふふ。それは、豆ビギナーが最初に経験する関門です。豆は水分を吸うと、2倍〜3倍の大きさに膨らむから、100gや200gの乾燥豆でも、すごい量になります。ほかの野菜や肉なども入ると、けっこうな量になって、食べても食べても終わらない‥‥ という顛末に。
写真は、赤レンズ豆(皮なし)の茹で前と茹でたあと(右)
豆を使うとき、一度に全部もどして使い切ろうとせず、少量ずつ茹でるか、もしくは1袋もどして茹でた豆を、必要量だけ使って残りは冷蔵庫へ。そうすると3〜4日はストックできます。
続けて同じ料理ばかりだと飽きるから、そうならないように「一つの豆で3つくらい、料理ができたらいいよね」というのが、私の提唱する「一豆三味(ひとまめさんあじ)」です。
レンズ豆から始まった阿川さんの豆料理が、ひよこ豆や大豆、いんげん豆などに広がっていくことを願います。
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