豆は「しあわせ」のタネである

【小豆島】伊喜末八幡神社神社でブドウ飯を訊く

【ぶどう豆・ぶどう飯のつづき】

豆なブログの読者さんより「ぶどう小豆」についての情報をいただき、自分でも取り寄せしました。

備中産 ぶどう小豆 300円/100g入り 塩飽農園で栽培された豆

見るからに緑豆にそっくりです。

しかし、私の知る中国産やミャンマー産の緑豆より、やや小ぶりです。表面がザラザラした感じがするのは、磨きにかけない農家さん直の豆だから。

稀少な豆を分けていただき、ありがとうございます。この「ぶどう小豆」でも、ぶどう飯を作ってみました。

食べた印象は、モサモサする皮の感じがなくて、ほくほくおいしい豆ごはん。ぶどう飯はおそらく、瀬戸内の島人が作りつないで来られた豆を使われているのでしょう。

小豆島にて日の出を拝み、海と山の神さまにお供え

 

「しまじぃ」さまを訪ねて

ぶどう豆についてもっと知りたくて、6月に伺った小豆島を再訪。島の西の端に在る『伊喜末八幡神社』をお訪ねしました。

お迎えくださったのは禰宜の樋本清輝さん。農業と郷土史研究をなさっておられ、「しまじぃ」の愛称で親しまれている方です。

事前に宮司さんの奥さまにお願いし、伊喜末八幡神社のお祭りで10月13日に奉納された「ぶどう飯」に使われた「ぶどう豆」を少し分けていただきました。ぶどう飯の作り方を記した記録もくださいました。

伊喜末八幡神社の「ぶどう豆」は、備中産「ぶどう小豆」よりも心持ち小ぶりでした。豆の質感はよく似た印象。大きさ比較では、

手持ちのウズベキスタン産 緑豆 > 岡山県産 ぶどう小豆 > 伊喜末八幡神社のぶどう豆

神社では、先代宮司夫人が使っておられたぶどう豆を受け継いで使われているそうです。

お祭りで担ぐ神輿に供えられる「ぶどう飯」は、柏の葉っぱによそって供えるとのことでした。

昔は樋本さんのお婆さまも、ぶどう豆やささげ、ぶどう飯も作られていたのを記憶している、と話してくださいました。

今では、ぶどう豆も柏の葉っぱも島で作っておられるところは稀少とのこと。樋本さんはこの先、神社の敷地内にぶどう豆や柏の木を植えて、繋いでいきたいと話しておられたのが印象に残りました。

 

ぶどう飯の実食

これまでに世に出ている「ぶどう飯」のレシピを元に、神社訪問当日の朝、自分で作ったぶどう飯(岡山県産 ぶどう小豆使用)を持参し、検証していただきました。

樋本さんの印象としては、「もっと豆がたくさん入っていた」とのこと。

いただいたレシピには、米2合に対し、ぶどう豆1/2カップとありましたが、ご幼少の頃(50〜60年前?)には、豆を自家栽培されていたため、もっと豆率が高かったのかも知れません。

「どうして紅白めでたい印象の小豆ではなく、ぶどう豆だったのでしょう?」との私の疑問に、「小豆島で小豆の栽培はなく、小豆は高価だったため、ぶどう豆を使ったのではないか?」

「赤飯自体も、小豆ではなくささげで作っていた」というようなお話もお聞きしました。

温暖な気候の小豆島に、小豆栽培は不向きだったのかも・・・?

伊喜末神社のこと、島の祭りのこと、太鼓のこと、小豆島の札所のこと、七福神のこと、禰宜としての樋本さんのお話を興味深くお聴きしました。

 

伊喜末八幡神社 〒761- 4131 香川県小豆郡土庄町伊喜末1836-1

神社の御祭神は、こちら▼

交通の便があまりなく、前回の取材でお世話になった土庄町役場 生涯学習課の職員さんにご案内いただきました。役場のYさま、神社宮司さまの奥さま、禰宜の樋本さま、いろいろとありがとうございました。

小豆島の祭りに、ぶどう豆が末永く受け継がれていくことを願っています。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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