豆コレクション【枝豆】
枝豆 エダマメ
マメ科 ダイズ属 ダイズ種
サイズ:長辺 約10〜18mm
大豆を若穫りする「枝豆」
夏から秋にかけ人気の「枝豆」は、大豆が熟す前に収穫する青々とした「やさい豆」の仲間。枝豆の時期に収穫せず、そのまま植えておくと秋にはカラカラに乾燥し、莢の中には大豆ができています。
田んぼの畦(あぜ)を補強するために植えた大豆は「あぜ豆」と呼ばれ、奈良〜平安時代頃から未成熟なうちに収穫して食べるようになったと聞きます。江戸時代にそのやさい豆を枝付きのまま茹でて売り歩いたことから「枝豆」と呼ばれるようになりました。
こんにちの枝豆は、大豆と同じように種類が豊富。品種も産地も様々に「おいしい枝豆」が全国各地で栽培されています。
大豆の収穫から2ヵ月前後早く収穫する枝豆は、本来は初秋の食べ物でした。しかし近年、ビールのおいしい夏場を意識して品種改良が進み、早いものは6月中旬に収穫されて野菜売場に並びます。
正月用黒豆の産地として名高い丹波篠山では、例年10月に「味まつり」と称した黒豆枝豆のお祭りが賑やかに開催されています。
輸入枝豆の加工品や冷凍物は、年間を通して大型食品スーパーやコンビニエンスストア等で売られています。
「ビールに枝豆」は、理にかなった食べ合わせ
大豆にタンパク質が豊富なことはよく知られていますが、乾燥した豆を水に戻して茹でて食べる大豆より、枝豆はβカロチンやビタミンCを多く含みます。他の野菜と比べてもビタミンB1やB2が多く、糖質・脂質・タンパク質の分解を助け、栄養不足解消に効果的。
枝豆に含まれるアミノ酸「メチオニン」は、ビタミンB1やCと相まってアルコール分解を促すことから、肝機能を向上させて飲み過ぎや二日酔い予防にも役立ちます。
枝豆に塩を振りかけたものを口にすることで、汗によるミネラル不足を補い、またカリウムも多く含むことから利尿作用を促し、ナトリウムの排出を助け、むくみ解消にも役立ちます。
「枝豆とビールを一緒に摂ると悪酔いしにくい」ことから、ビアガーデンほか、夏場の宴席のスタートに枝豆は、ピッタリと言えるでしょう。
海外でも人気の「EDAMAME」
枝豆の生産量は千葉県、山形県、新潟県などに多く、近年は北海道を上回ります。しかし、日本の枝豆消費量の半分は海外からの冷凍枝豆で、台湾やタイで生産されたものが多く輸入されています。
ここ数年徐々に枝豆人気は海外でも高まりつつあり、欧米では「イーダマメ!」と呼んで味わっているとか。L.A.の飲食店では、1皿4ドルほどで提供する枝豆を皆、喜んで注文すると聞きました。
江戸時代に鮨と並ぶ「日本のファストフード」として広まった枝豆は昨今、海外でラーメンと並ぶ「日本(アジア)の新顔野菜」として好まれています。
豆類と野菜類の両方の性質を併せ持つ枝豆は、年代、性別、国境をこえて広く愛される人気食材。冷凍物を流水解凍するだけで食べられる簡易さも然ることながら、枝付きのままを買って自分で調理して食べる醍醐味も、味わっていただけたらいいなと思います。
☆枝豆の用途
茹で枝豆、枝豆蒸し焼き、蒸し枝豆、
ずんだ餡などに。
収穫直後の枝豆(乙姫みどり)
京都産 黒豆枝豆の蒸し茹で
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