豆は「しあわせ」のタネである

平黒豆で、みそ仕込み

山形県鶴岡市のレア豆

平黒豆(ひらくろまめ)をご存知でしょうか?

山形県鶴岡市で栽培される郷土色が強い豆で、黒大豆の仲間です。

ヒラマメは、薄い小判型の豆で、ほかに「青平豆」「黒平豆」「雁喰豆(がんくいまめ)」などを使ったことがあります。豆を乾かしたり、選別したりする際に、豆の裏表を返しにくいから手間がかかる豆だと読んだことがあります。

平黒豆は、かつて使った「黒平豆」とそっくりです。シワが寄ったのは、雁喰豆っぽいです。

『山形県の在来作物 庄内編』資料によると、〜「田んぼのくろ豆」の類似豆として、鶴岡市櫛引地区黒川で栽培されるものを「平黒豆」と呼び、黒川能の舞台の傍らに飾られる小花の中心の留め具に利用される〜 と記載があります。

庄内、鶴岡、好きな土地です。

 

平黒豆を茹でてみました

平黒豆はちょっとした料理に使いました。そして、今シーズン最後のみそ仕込会で、いつもは秘伝豆で仕込む味噌の別バージョンとして使ってみることに。

平黒豆は乾物状態と水戻しした状態で、拡大率が高い豆だと感じます。

他の黒豆のように、水戻しの際に紫色の色素が水に移ります。アントシアニンですね。

茹でているとき、けっこうアクが出ました。最初は入道雲のように、モクモクと。

通常の料理用ですと30分ほど水煮にしますが、みそ用は、秘伝豆より茹で時間が短めでしたが、それでも2時間〜2時間半ほど茹でました。

その間も、真っ黒いトロミのあるアクが浮き、何度かすくって取り除きました。食べ物の例えとしてどうかと思いますが、1時間経過したあたりのアクはコールタールのようでした。なにぶん初めて味噌仕込みに使いますから、丁寧に何度もアクを取り除きました。

やわらかくなった平黒豆は、ほっくりと滑らかな食感。薄っぺらい豆ですが、山の芋のような食感にも思えました。

 

平黒豆でみそ仕込み

仕込みは秘伝豆同様、豆をつぶすところから。

平黒豆は比較的つぶしやすい豆でした。平べったいから、すべることなく麺棒と接しやすいのだと思います。

つぶしているとき、黒ではなく紫色が強く出ました。甘みがあってなめらか、皮残りはあるけど、つぶしていると「ええ味噌」ができそうな気がします。

つぶし終えたら、塩切りしたこうじと混ぜて味噌玉を作ります。

保存容器の四隅を目指して投げ入れて、表面を平らにしたらラップして、四辺に塩を置いて、唐辛子を1本。蓋をして3ヶ月寝かせます。

夏をまたぐから、8月の下旬頃には、もう味噌になってくれてるのではないかなと思います。

どんな味噌になるのか、楽しみ。このまま黒っぽい味噌になる? ほかの豆みたいに、黄土色〜茶色になる?

きっと、おいしい味噌になると思います。

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コメント

    • 佐藤 文江
    • 2023年 3月 31日

    今日は、ありがとうございました。
    早速、遊びに来ました。
    秘伝豆でも味噌を作るんですね。今まで味噌は大豆と思ってましたが、色んな豆でも出来るんですね。
    みそ仕込み会で、皆様、五木さん直伝の美味しいお味噌が作れて、羨ましいです。半年後が楽しみですね♪

      • Nodoka
      • 2023年 4月 01日

      佐藤文江さま さっそくご覧いただき、コメントもありがとうございます。

      秘伝豆をみそ仕込に使うようになって15年くらい経ちます。
      大豆の旨みと甘味が感じられる味噌ができると、みそ仕込会でも好評なんですよ。
      11月〜3月頃まで、毎年何回か味噌仕込会をやっています。
      機会がございましたら、佐藤さんも京都に遊びに来てください。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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