豆は「しあわせ」のタネである

南禅寺「順正」で、Hさん壮行会

「とうふの話が聞きたい」

もう間もなく海外へ単身で乗り込む友人が、京都にも寄ってくれました。行きたいとリクエストされた自然食の店は残念ながら店休日で、急きょ、とうふ作り体験ができる食事をすることに。

彼はヴィーガンを研究しているとのこと。「とうふ屋のある町は いい町だ」連載のため、多数のとうふ屋さんに足を運んでいる私の話しを聞きたいとのことでした。「とうふについて教えてください」と頼まれ、食べる専門の私としては、職人さんたちからの聞きかじりの話しをするより、少しでも自分で体験するほうが感じるものがあるだろうと考えました。

清水の「おかべ家」さんで、「おてまえ」というコースをいただいたことがあります。

鍋に豆乳を温めたところにニガリを入れ、少し混ぜてフタをしておくと、出来立てのとうふが味わえるもの。おかべ家さんは営業時間外だったため、発祥の店である南禅寺の順正さんに伺うことに。

 

夕暮れ前の順正にて

目指すは「おてまえどうふ」。かつて私が体験した、出来立てほわほわの温かいとうふのおいしさを、Hさんにも味わってほしいと案内しました。

地下鉄東西線の蹴上駅から歩いていくと、立派な門構えの店は直ぐに見つかりました。

実は私も「順正」は初めて。17時前の中途半端な時間だったため、ほかのお客さまで混み合うこともなくスッと入ることができました。

お給仕のお姉さんが3〜4人、コース料理と手づくりとうふの鍋を次々に運んでくださいました。

豆乳は少し置いて、常温に近づけて、豆の味を感じながらいただきました。

ごまとうふを「これは、豆腐とは違うんですよね?」というHさんに、すりおろした白胡麻に云々と話しながら、とうふ田楽のとうふは、おそらく圧をかけて水をよく抜いたもので云々‥‥

話を聞きながら、豆乳を温める鍋を混ぜ続けるHさん。

砂時計の砂が落ちてしまったら、豆乳を加えます。Hさんは、お姉さんの説明通り「8の字、8の字」と言いながら鍋を混ぜます。

そして、また砂時計をひっくり返し、鍋にフタをして5分たつのを待つだけ。

とうふ屋さんの仕事は、本当はこんな簡単ではないのですが、卓上で真似事だけさせていただきました。

 

「おてまえどうふ」を存分に味わう

前に「おかべ家」で食べた「おてまえ」は、1人で食べるにはかなり多くて、今回の「おてまえどうふ」は2人でいただきましたから、完食できました。

温かいとうふは、とうふ屋さんで買ういつもの冷たいとうふとは、また違ったおいしさです。食感がゆるゆるほわほわ、味も香りも豆感が強いのです。大豆は「とよみずき」を使っているとお聞きしました。

出来立ての「おてまえどうふ」は、とうふ屋さんで「おぼろとうふ」「汲み上げとうふ」「すくいとうふ」などの名前で販売されるとうふの、出来立ての状態。もめんとうふなどのように函に入れて圧をかけて水分を絞り出す前の状態です。だから、水分量が多く、温かさと相まって、ゆるゆるほわほわの食感になるのだと思います。

Hさんの大いなる野望を聞きながら、ほわほわのとうふを味わう豊かな時間。

「大成功するか、大失敗するか、どちらかです」と笑っていたHさん。

私も京都で、あなたの活躍を応援し続けます。出立は3月25日とのこと。どうぞ、コロナショックのあおりを受けませんように。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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