豆は「しあわせ」のタネである

久在屋さんの地豆腐「黒神(こくじん)」

久在屋さんへ

あれから毎月、右京区のお店を訪ねるようになりました。理由は、月替わりの「地豆腐」が気になるから。

コロナ休業とか関係なかった頃に、久在屋さん商品を髙島屋で買ったことがありましたが、デパ地下で買うのとはるばる店まで出向いて買うのとでは、気持ち的においしさが違うような気がするのです。

「地豆腐」とは、久在屋さんの命名でしょうか? 「日本各地で、その土地に根付いてきた独自の大豆=地大豆を100%使用した豆腐のこと」と、地豆腐の説明書きに記されています。

「地豆腐」という文字を見ると、沖縄のピーナッツ豆腐「ジーマミー」を思います。しかし、ネット検索は久在屋さんの地豆腐がたくさんヒットしますね。

豆を替えて作る月替わりの豆腐。豆の調達は、社長ご自身が日本各地に足を運んで発掘されるのだと人づてにうかがったことがあります。すごいです。そんな貴重なとうふを、432円で分けていただいています。

 

青森県つがる市産「黒神大豆」のとうふ

青森県には3回行ったことがあります。八戸市、青森市、弘前市に行ったことがあると思って地図を見ていたら、五所川原市で乗り換えて「斜陽館」まで足を伸ばしたことがあり、気付かぬうちに何と私も「つがる市」に上陸していました!

大豆の名前「黒神」を見たとき、小粒大豆の「くろかみ」だと思いました。豆売場ではなく、マニアックな雑穀売場で見つかるかもしれない黒い色の小粒大豆。皮は黒いのに、中身がみどり色です。

久在屋さんの店頭で見つけたとき、この「黒神」の名前と、うっすらみどり色をした豆腐だったことで、あの「くろかみ」と一瞬、勘違いしました。「皮はいつ剥いでるの?」と思いました。

どうやら、「くろかみ」とは異なる小粒大豆のようです。

お店の外の看板には「黒神」に「こくじん」とルビが付され、「極小粒で艶のある深い緑色の大豆で豆腐になっても瑞々しく美しい緑色を楽しませてくれます」と書かれていました。

極小粒の青大豆で作られたおぼろ豆腐。容器に入っている表面より、すくった中のほうが色が濃くて、口に含むと独特の旨みが感じられます。なめらかな舌ざわりと鼻に届く大豆のかおり。おいしい!

最初は何もつけずに味わいました。

次に塩をはらりとかけて食べてみました。

そして、食事の途中にも味わいました。

この豆腐、食間に味わうとサラダ感覚で箸が進みます。濃い味のおかずの間で箸休めの役もしてくれます。

その都度、青大豆ならではの青くさい旨みのある味わいをかもし、ほかの料理までおいしくしてくれる豆腐のように思いました。

滋賀県の「水くぐり」、北海道の「ツルの舞」、長野県の「ひとり娘」に続き、今月の地豆腐・青森県産「黒神(こくじん)」も、たいへん勉強になりました。

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  1. 2020年 7月 20日

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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