栖園1月「琥珀流しと小椀ぜんざい」
1月の「琥珀流し」を求めて
毎月のお楽しみ、大極殿本舗 栖園の琥珀流し。
今月は「白みその蜜」が味わえます。2年前も、1年前もいただいたけど、1年たつとまた食べたくなります。
六角店と高倉店、両店ともに今月は「白みその蜜」が提供されています。今回は、大丸近くの高倉店でいただきました。
私が伺うのは、たいてい夕暮れ間近な店が落ち着いている時間帯。ゆっくり、じっくり甘味を満喫できるから良いのです。
琥珀流し「白みその蜜は、京都のお雑煮にヒントを得た」と、かつて栖園の奥さんからお聞きしたことがあります。
琥珀流しの寒天は、ユルユルとした独特の喉ごしでいただきます。
「みつ豆の寒天はかたいから好きやない。やわらこう作って」という奥さんのリクエストに、通常は和菓子職人が嫌う「腰ぬけの寒天」に、大極殿本舗の職人さんが仕立ててくださったとお聞きしたことがあります。
白みその発酵食品としての酸味と生クリームのまろやかな味わいが一つになって、1月の白みその蜜も絶品です。赤く見えているのは、お正月の金時人参です。
「小椀ぜんざい」に氷上を思う
小豆の中で、粒の大きさが大きく一定基準以上のものを「大納言」と分類します。北海道と北海道以外では、その寸法の規格が違うのですが、とりあえず調べてわかった北海道基準は「粒度5.5mm以上(1.8分篩上)」と十勝農業試験場の小豆・菜豆のQ&Aに載っています。
あ、「小椀ぜんざい」の話です。
栖園のぜんざいには、丹波地方の中でも特に上質で粒が大きな「春日大納言」が使われています。粒が大きいということは、それだけ値が張ります。「お客さまの印象に残る粒の大きさと、豆がおいしいぜんざいにしたい」と考え、春日大納言を採用しておられるとお聞きしました。
春日大納言の名前は存じていたのですが、今回「ひかみ地方特産 春日大納言」を見せていただく機会を得、それが兵庫県の丹波市氷上町であることに気付いた次第。マニアックな話しですが、毎週楽しみに聴いているラジオ番組「和尚と弁護士の悩みごと相談」が、丹波市氷上町の「805たんば」でオン・エアされているので「ひかみ」に反応しました。
栖園のぜんざい、大納言の煮方に感動します。大納言は皮が厚く破けにくいことから、切腹することのない「大納言」の名を付けられたのが起こり。しかし、こちらのぜんざいは豆の皮が舌に残ることなく、かと言って豆が破けることは少なく、絶妙の塩梅なのです。
すっきりとした甘さに、焼き加減にそそられる香ばしいお餅が、椀の中にバランスよく収まっています。
琥珀流しと小椀ぜんざいのセットは、税込1,400円。
腰ぬけの寒天の冷ゃっこさが喉に心地よく、豆のおいしさをしみじみと味わうことができます。
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