豆は「しあわせ」のタネである

【静岡市清水区】周年えだまめ「駒豆」の産地へ(1)

「駒豆」は、真冬にも育つフレッシュの枝豆

6月~10月頃まで、いろんな枝豆が販売されています。おかげで私たちは、旬のおいしい枝豆を味わうことができます。夏~秋はクール対応の運送便を用いて、全国各地の枝豆を取り寄せることが可能です。

秋。丹波篠山の黒枝豆、京丹波の黒枝豆、おいしい枝豆が最終盤を迎えました。

が、これからのシーズン~晩秋・真冬・春・初夏でも、冷凍枝豆ではない「フレッシュの枝豆=やさい豆」が手に入ります。その枝豆は静岡県の一部エリアでハウス・温室栽培される枝豆です。『駒豆』という名前です。「こまめ」と読みます。

初めて知ったのは4年くらい前? 12月にオンエアされた某テレビ番組出演時に、枝豆料理を作るために用意してくださった食材でした。

それから情報誌の精進料理や雑誌の枝豆特集などのページを作る際にも、駒豆を活用させていただきました。駒豆は、季節を先取りできる枝豆としてインプットされました。「いつの日か、産地を訪ねてみたい」という希望と共に・・・

 

「駒越」は、次郎長一家の清水港の近くでした

日本にはおよそ400種類の枝豆が存在すると云われます。私は豆探検家として「400品種の枝豆を全豆制覇したい」を、目標の一つに掲げています。

駒豆のふるさとは、静岡市の清水区駒越地区。「駒越の枝豆だから、駒豆=こまめ」という名前が付いたそう。

この度、駒豆の産地で集荷や出荷の管理をされている「JAしみず南部営農センター 駒越営農拠点」を視察させていただきました。

駒越地区には、新幹線の静岡駅~東海道本線のJR清水駅~バス・しずてつジャストラインの駒越バス停を経由して伺いました。京都の最寄駅から約3時間、初めての土地を訪ねるのは、とても遠く感じました。

バスを待つJR清水駅のバス停は強い風が吹いていて、バスで行く道すがら、ここが港町であること、バス停から歩きながら「♪しみ~ず港の名物~は~」のあの歌の港町であることに気がつきました。

 

駒豆の歴史と取り組み

清水南部海岸地域、このエリアで枝豆の栽培が始まったのは明治の終わり頃。本格的な栽培に取り組むようになったのは、大正時代の中頃と聞きます。

駿河湾からの太陽光の反射もあり、豊富な日照量が得られる清水区南部地区。雪やみぞれが降ることは10年に1度あるかないかというくらい、年間を通して温暖な気候に恵まれるエリア。日照時間が長く、海岸沿いの水はけの良い砂地であることは、野菜類や枝豆の栽培に好ましい立地でした。

戦後、この地にビニールハウスやガラス温室での枝豆栽培が始まりました。正に先見の明とも言える試み。ハウス栽培の枝豆は木箱に入れて、東京や京都の料亭などをはじめとする大都市の業務用を中心に出荷してきたそうです。

最近では、駒豆は近郊のスーパーマーケットや、一部地域の百貨店野菜売場に加え、ネット販売で購入することも可能です。

駒豆の特徴は通年栽培に加え、その形状にあります。

2サヤ~5サヤくらいが、3cm程度の小枝につながった状態で袋に入っています。最初は「これって、カサ増しのため?」と意地悪な見方をしたこともあったのですが、この小枝こそが鮮度維持に役立つ大事な取り組みなのです。

駒豆の話は、その2に続きます。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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