豆は「しあわせ」のタネである

最強! 津軽の毛豆 八木橋 信行さん

エヌワイ農園の毛豆が買える直売所へ

青森『最強毛豆決定戦 ’17で食べた十数種類の毛豆のうち、決勝で私が最もおいしいと感じた毛豆は、高杉小学校2年生の農園で栽培された毛豆でした。

その毛豆栽培を指導されたのは、エヌワイ農園の八木橋 信行さん。2013年にグランプリ、14年に銀賞、15年に金賞と、3年連続して入賞した八木橋さんは、子どもたちの栽培指導をすることを尊重し、ご自身は決定戦に出場されていませんでした。毛豆と子どもたちに対し、どこまでも深い愛情の持ち主です。

そんな八木橋さんの毛豆を食べてみたくて、販売されているお店のうち、公共交通機関でも買いに行けそうなお店をお訊ねしたことが始まりで‥‥

八木橋さん自ら、販売店を案内してくださることに! おまけに、畑も見せてくださると‥‥! 見ず知らずの、ただの豆好きを‥‥ あつかましいとは思いつつ、畑に行けるとあって、ご厚意に甘えることに‥‥(^^)

直売所 野市里(のいちご)さんと、「嶽きみ」とうもろこしの直売所にも寄ってくださいました。

八木橋さんの毛豆はほかの毛豆とは異なり、まず目に入る表示がされています。最強毛豆に入賞するということは、生産者さんにとってとても名誉なことで、この地域の方々にも別格で見られるのだなと感じました。毛豆自体、大粒で立派な豆です。

 

毛豆枝豆黒豆(黒枝豆)のほか、いんげん(三度豆、モロッコいんげん、紫色のモロッコいんげん)や、ささげ(モロッコいんげん?)などの野菜豆が並んでいました。

乾物の豆は青森県産の青大豆と、北海道産の黒大豆、金時豆、小豆が並んでいました。海外の白花豆とひよこ豆も売られていました。

 

八木橋さんのエヌワイ農園へ

エヌワイ農園は、岩木山がよく見える、周りにさえぎるもののない陽当たりの良い畑でした。軽く10畝以上あったと思います。毛豆と「やぎはし豆」を栽培されていました。試験的に植えられた豆や野菜も育っていました。

毛豆がいちばんおいしい時期に収穫する、そのためには見極めが大事。播種(はしゅ)する日が少しズレルだけで、ベストな状態が動く‥‥ 意識は「最強毛豆決定戦」に向いていました。

 

肥料のこと、水のこと、おいしい毛豆に育てるノウハウまで、八木橋さんはベランダでしか枝豆を育てた経験がない私に、惜しみなく様々な話をお聞かせくださいました。

岩木山のふもと、生産者の誇りが美味しい毛豆を育てるのだと実感しました。

 

子どもたちの農園へ

八木橋さんの毛豆は、薄塩でおいしく感じるコクのある豆でした。自然のあま味、濃厚な豆の味。莢がしっかりしているのに口にさわらないのは、ベストな状態を知る茹で加減にあるのかもしれません。経験値の差を感じます。

 

途中、ご自宅に立ち寄り、八木橋さんの毛豆をご馳走してくださって、その足で高杉小学校へ。顔パスの八木橋さんは、校舎の奥にある子どもたちの農園を見せてくださいました。

「2年」と書かれた立て札は、前日の最強毛豆決定戦で14出品のうち銅賞に輝いた毛豆の畑です。

子どもたちのアピールポイントは「毛豆の栄養が十分に行き渡るように、草取りをしっかりやることにこだわって育てました」と紹介されていました。本当に無駄な草はなく、虫喰いの少ない大豆の葉っぱが青々と茂っています。

八木橋さんの畑の毛豆と同じタネだけど、子どもたちの毛豆のほうが幾分きゃしゃに見えました。莢(さや)も豆も、八木橋さんのより、やや小ぶり。だから、毛豆ビギナーの私の口にちょうど良かったのかも‥‥ と思いました。

この先、2回、3回、5回と毛豆を口にすると、好みはまた変わるのかもしれません。しかし、私は八木橋さんのおかげで、2017年秋の自分にとってベストなおいしさの毛豆が育つ畑を見ることができました。

 

八木橋さん、収穫期のお忙しい貴重なお時間を割いて、豆の探検家に様々なことを経験させていただき、ありがとうございます。八木橋さんと毛豆と岩木山は、セットで深く私の心に刻まれました。八木橋家で飼われているしば犬の名前が「マメ」なのも、ステキです!

 

すべては『最強毛豆決定戦 ’17』のおかげです。青森毛豆研究会の皆さま、ありがとうございます。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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