豆は「しあわせ」のタネである

時しらずと赤飯の日

毎月1日と15日は「赤飯の日」

10年くらい前から、1日と15日を「赤飯の日」として、その日会う人たちに赤飯おにぎりを配ってお声かけをしたりしてきました。赤飯おにぎりを渡されて「1日と15日は赤飯の日」と聞かされたた方は、記憶の隙間に「赤飯の日」を覚えてくださるかなと思って‥‥

記念日協会に登録するでもない、企業キャンペーンを張るでもない、淡々と言い続けていくうちに「赤飯の日」に共感してくれる人に広まって‥‥、まるでお正月のお雑煮や黒豆のように、節分の恵方巻きのように、みんなが「あ、赤飯を食べよう」と思ってくれたらいいなと考えて続けています。

おついたちの今日、私は赤飯を作りました。もち米:うるち米=3:1の比率で、炊飯器で炊くお赤飯。正式には赤飯とは言わず、「炊きおこわ」「小豆ごはん」などと呼ぶそうです。が、私の気持ちとしては「炊飯器で手軽に作るお赤飯」なのです。

神棚にお供えし、自分でもいただきました。

 

「時しらず」と「おきまり」

京都西陣あたりでは、毎月決まった日に決まったおかずを作り、働き手の奥さんが献立に困らないようにしていたそうです。その中に、1日と15日は「小豆飯を食べる」食習慣もあったとか。私はそのことを「時しらず」と覚えていました。が、それは「おきまり」の間違いでした。

仕事で、ある原稿を書くために京都調理師専門学校の校長 仲田雅博先生に電話で教えを請いました。ずっと前に、京野菜検定の事前講義をお聴きしたというだけのご縁で、仲田先生は私の電話に時間を割いてくださいました。仲田先生、ありがとうございます。

もう二度と間違えないために、情報を整理してブログに残しておきます。

◎時しらず

いつでも手に入る乾物などを使って炊くおかず。五目豆、豆と昆布、ひじき煮、干しいたけ煮、切り干し大根煮、など

◎常備菜

季節のものを使って作る日持ちがするおかず。牛肉しぐれ煮、干しらす、ちりめん山椒など、季節に食材を入れたもの

◎おきまり

その日に何を食べるかを定めたもの。おついたちは、ニシンと昆布、小豆のごはん。8日は、あらめとお揚げの炊いたん。15日は小芋と棒鱈の炊いたん、小豆のごはん。月末は、おから(きらず:縁が切れないように)などが「おきまり」だったそう。

これを整えられたのは、京都のおかずを初めて「おばんざい」という呼び方で、世に出した大村しげさんだそう。その大村さんが書かれたのは、朝日新聞のエッセイと聞いて、何だかうれしくなりました。

「時しらず」「常備菜」「おきまり」以外に「季節のおばんざい」もあるそうです。

ディープ京都へ、の一環でそのあたりをもう少し深く知りたいなぁ‥‥

 

こうやって、いっぱいミスや間違いを起こしながら、いくつになっても「日々勉強」です。

新しいことを知るよりも、いにしえの習慣やしきたりを知ることのほうが、今の私にはうれしく思えます。

毎月1日と15日は「赤飯の日」。言い出しっぺの責任において、生涯言い続けていこうと思います。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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