豆は「しあわせ」のタネである

蒸し豆の「マルヤナギ」さん訪問

蒸し豆の全国シェア94%の会社

神戸のマルヤナギさんを訪問しました。会社名は「株式会社マルヤナギ小倉屋」、8月1日に社名変更されたそうです。お訪ねするのは初めてのこと。昆布の佃煮や蒸し豆で著名な会社とうかがっていました。

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「蒸し豆は栄養価が高く、味が濃くておいしい」くらいの知識はあるけど、自分では蒸すより茹でるほうが多く、ひょんなご縁から最近になってマルヤナギさんのことを知りました。

真空パックに入った豆のF社やQ社は存じていたのに、「蒸し豆」で全国シェア94%を確立しておられるマルヤナギさんを知らなかったなんて‥‥ 反省

 

例えばこの会社は、

6月4日は「蒸し豆の日」を日本記念日協会に申請され、記念日の一つとして認定されたのだそう。知らなかった‥‥ 知らないことだらけで会社訪問させていただにも関わらず、誠実にご対応くださったOさまとTさま、ありがとうございます。

 

マルヤナギさんの本社ビル1階に、会社創業の礎となった「誠味屋本店」店舗がありました。創業者の若かりし頃の人形もあって、私の好きな「本店」のにおいと気配を感じることができました。味に誠実、企業姿勢がそのままうかがえます。

 

日本食品標準成分表(七訂)に「蒸し大豆」が載る

マルヤナギさんのことと蒸し豆、蒸し大豆のことをたくさんお聞きした中で、最も印象的だったのが、食品成分表のエピソードでした。

七訂 2015年版から豆類のデータに「蒸し大豆」のデータが載ることになったのは、マルヤナギさんが文部科学省に働きかけられたからだそう。

これまでは乾燥豆と茹でた豆のデータだけしか掲載がなかったため、栄養士さんが学校給食や病院、介護施設などの食事に蒸し豆を使おうとしても、起用できなかったそうです。だから、栄養価が高くておいしい蒸し大豆を使ってもらうためには、食品成分表に「蒸し大豆」の数値が必要でした。そこで文科省に提言し、幾度もやり取りの末、ようやくデータが掲載されました。

という流れなのですが‥‥ 文部科学省を動かすために、どれだけの労力と費用を要されたことかと考えると、頭が下がります。真摯に向き合えば、文科省も動かせるということを実証してくださった民間企業、素晴らしいです。

 

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*8/15 追記

左は「日本食品標準成分表」の表紙です。

2015年に5年ぶりに改訂され、15年ぶりに収載食品の拡充が為されたそうです。「蒸し大豆」も、その一つ。

「4 豆類」が掲載されたページはP56にあります。上部に「蒸し大豆」の掲載が見つかります。水煮缶詰の黄大豆と比較してみると栄養価の違いがわかります。

豆類のページを最初から見ていくと、あずき、いんげんまめ、えんどう、ささげ、そらまめ、だいず の記載があります。それぞれ「乾燥」と「ゆで」はあるのに、「蒸し」が載っているのは大豆だけでした。

 

蒸し豆や蒸し雑穀が手軽に食卓へ

IMG_20160810_121235  蒸し大豆いろいろ

IMG_20160810_121127 蒸し雑穀いろいろ

こんなにたくさんの蒸し大豆やあずき、蒸し雑穀などを販売されているそうです。これはまだ一部で・・・

自分で豆を水にもどして茹でて使うのがめんどう。だけど、身体にいい豆は食べたいと考える方にぴったりの食材だなと思います。100円〜200円くらいの商品ですから、手軽に使えますね。

 

蒸すという行為を、私はここ数年「枝豆」でやっていて、蒸し焼き蒸し煮ともに味が濃く感じられることを皆さんにお伝えしています。

枝豆は未成熟な大豆です。完熟した大豆を蒸すと、茹でるよりも味が濃縮されるのは納得できます。マルヤナギさんでちょうだいした「日経ヘルス」の抜き刷りの冊子類や資料で、しばらく勉強してみます。

 

某媒体用の原稿に「気がつけば豆に “ぞっこん” に」と書きました。豆について、知らないことだらけで、勉強することが楽しくて仕方ないのです。1粒の小さな豆は、私にとって学びのタネでもあるんだなと思います。(^^)

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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