豆は「しあわせ」のタネである

花嫁のれんがつなぐ七尾「一本杉通り」とのご縁

石川県七尾市「一本杉通り」

たしか、京都に住んで2年目のゴールデンウィークに、「花嫁のれん」と「花嫁道中」を見るために、七尾市を訪ねました。「よかったら、あなた達が来年の花嫁道中をしませんか?」と声をかけていただき、辞退する胸の内を伝えに行ったのが2回目の訪問。それから2年、3年たって花嫁道中の殿(しんがり)を務めに伺った3回目。「花嫁のれん館ができたから見においで」と声をかけていただいて、ようやく訪れた4回目。

記憶が間違っていなければ、私は4回、七尾一本杉通りを訪れて、その度に「珈琲茶房 茜屋」さんにお邪魔しています。一本杉通りには、知っているお店が何軒もあって、ふるさとに寄せる想いに似た感情が湧いてきます。

中島菜のパン屋さん、昆布屋さん、きものの凛屋さん、和ロウソク屋さん、お肉屋さん、鳥居醤油さん、茜屋さん、お寺、‥‥花嫁のれんがあったから私は七尾にご縁をいただき、そのご縁は今も続いています。

 

中島菜のパン屋さん「明治堂」さん

以前買った中島菜を練り込んだ食パン、今はもう作られていないそう。代わりに見つけたのは、中島菜と能登大納言を使ったメロンパンでした。

断面写真は撮っていませんが、能登大納言鹿の子小豆のように粒のこしで焚かれたアンコが入っていました。メロンパンなんだけど、あんパン。ほろほろと美味しくいただきました。

能登大納言は石川県の奥能登・珠洲市、輪島市、能登町、穴水町あたりで10月中旬〜11月にかけて、さやぼりで収穫される「ひときわ大きな粒と鮮やかな赤い色、ふっくらと皮がやわらかく、風味豊かな大納言小豆」です。今回、金沢と七尾で探したけど、加工していない豆状態の能登大納言には、お目にかかれませんでした。

 

鳥居醤油店

能登の大豆と小麦、塩を材料に、手まひまかけて手でつくられている鳥居醤油、その店を訪れるのは、鳥居まさこさんに会いに行く感覚です。鳥居さんは、茜屋の美人ママのことを「あかねちゃん」と呼ばれていました。

鳥居醤油店の「モロトモ醤油床」「おしょうゆケータイ」は、七尾を訪ねるたびに買っているような‥‥ 今回は、はんぺんを2種類と能登の塩も買って、お醤油を使ったチーズケーキをちょうだいしました。

人の手が作った食材は、機械では出せない「あたたか味」という「味」がします。寒い土地の味噌やお醤油は、しっかりとした味に仕上がっていると思います。

 

花嫁のれん館で買った「大豆飴」

茜屋の由美子さんいわく「大豆飴を作っておられた方がご高齢で、今はもう作られてないのよ‥‥」とお聞きし、がっかりしていたら‥‥ 別の会社だと思うのですが、花嫁のれん館に売られていました。

この小さいサイズの大豆飴、以前、食べたことがあります。

こっちのキューブ型は初めて目にしました。

柚子と抹茶とドライフルーツ シナモン味、売られていた3味を大人買いしました。(^^)

 

花嫁のれん館では、加賀友禅の花嫁のれんの展示と合わせて、「婿入りのれん」の企画展も開催されていました。嫁ぐ娘に持たせる婚礼道具・花嫁のれん。訪れた日は20枚くらい展示されていました。さすが加賀友禅ののれん、見事です。

花嫁は嫁入りの際、玄関で両家の水をカワラケに注ぎ、飲み、その場で割ります。実家の紋を入れた花嫁のれんを婚家の仏間の入り口にかけてくぐります。ご先祖にお参りし、結婚式が始まります。

結婚式が済んだ後、ほとんどの家では箪笥の奥にしまわれ、二度と掛けられることがありませんでした。一生の中で一度だけ使われる婚礼道具が「花嫁のれん」でした。

花嫁のれん館パンフレット「花嫁のれんとは」より転載

 

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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