新聞用レシピの試作中
豆のブーム到来
今月に入り「2016 国際豆年」のおかげで、あちこちで豆を特集する媒体が見られるようになってきました。タンパク質や炭水化物、ビタミンやミネラルを豊富に含む豆類は、野菜より効率よく栄養をとることができます。そして、動物性のものより少ないエネルギー量で、その食べ物を生産することができます。
この前の「あさイチ」もそうですし、今回、私に新聞原稿を依頼してくださった某新聞社さんも、豆に注目してくださっていることをうれしく思います。
・豆はカラダにいい
・豆は保存がきく
・豆は甘く煮る以外にも、様々な料理に使える
・豆を使う料理は楽しい
・豆はかわいい
・豆は ‥‥ 豆好きのつぶやきは止まりそうにありません。
レシピ原稿の執筆のながれ
私の本業はライターであり、編集者であり、販促アドバイザーです。
ライターの仕事というのは地味で、クソ真面目で、コツコツと職人のような仕事です。
その場に出向き、自分で見聞きし、食べ物の場合は確かめて、予算と時間があれば他店で同じ料理を食べ比べて研究し‥‥
プロの料理研究家さんやシェフがどのようにレシピ開発をされているか、詳しくは存じ上げませんが、豆好きなライターの私がレシピを作ろうとすると、リサーチと試作は必須。
1.テーマとなる豆を決める
2.その豆の特長を生かせる食べ方をイメージする
温かいとか冷たいとか、煮込みがいいとか和え物がいいとか、形を残すのか、形がないほうがおいしいのか、一度にたくさん食べたいのか、ほかの食材と合わせて少量をアクセントにするほうが引き立つ豆なのか‥‥
3.季節やターゲットを考える
その料理やスイーツは、いつ頃、どんな人に食べてほしいのか
4.レシピを依頼された媒体や会社の「売り」にそぐうものか
自分の作りたいものと、媒体が欲するところ、読者や消費者が期待するところのバランスを考えます。
5.食材をそろえる
料理やスイーツのイメージができたら、お店へ。近くの食品スーパー、ちょっとお高いけど珍しい食材が手に入る店、野菜の専門店、お米屋さん、‥‥
全国各地の知人やフルーツ・パトロンさんたちが贈ってくださった食材との組合わせもしばしば考えます。
6.試作
一度ざくっと作ってみます。それで上手くいく時もありますが、一度つくって自分にダメ出し。それから再度、改善を加えて作ります。
面倒なのは食材の分量を計ること。玉ネギ 1/2個とかは書きやすいけど、塩少々やオリーブオイル小さじ1/2などは、その時の感覚で入れて、あとで味見してから足すこともあります。ちゃんとメモしておかないと混乱します。
7.写真撮影
著名な料理家やシェフならまだしも、無名の豆好きがプロのカメラマンにお願いする予算など、どの会社からも出していただけません。だから自分で撮ります。昼間の明るい時間に。
前に受けていた週1レシピの仕事は、写真をキレイに撮るために今の事務所を借りました。下手は下手なりに環境を整えようと‥‥
せっかく作った料理も、盛り付けや器類のコーディネートなどがうまくいかないと、ちっともおいしく見えません。何度ため息をついたことか‥‥
8.原稿作成
料理ができて、料理写真が撮れたら、あとは楽です。だって、本業がライターだから。料理を決めて作ったものを撮影するまでのエネルギーを8とすると、原稿を書くエネルギーは2くらい。あ、これは私の場合です。ほかの方のことは、わかりません。
9.入稿
レシピ原稿と写真を、メールで媒体社やクライアント企業さんに送ります。
10.校正
全体のバランス、色味、言葉遣い、時期、その他諸々を確認します。本業が編集者ですから、おそらく校正はキッチリしています。だから、自分で自分へのダメ出しがつらい。
今後は妥協することも覚えないと‥‥
11.自分のレシピが世に出る
ウェブで公開されたり、媒体に掲載していただいたりしたら、その反応が気になります。少しでも多くの人に見ていただけるように、自分でも告知に努めます。手配りもするし、ブログにも書くし‥‥
長くなりましたが、こういう過程を経て私の作ったレシピが世に出て行きます。時給いくらのアルバイトに換算すると、最低賃金の半分にも満たないかも‥‥ と、そんなことより、
世の中に豆を好きな人を増やすのが、いちばんの喜び。
おいしいとか、楽しいとか、うれしいとか、豆のことをもっと多くの人に伝えたい。そんなことを思いながら、日々、豆なくらしをしています。
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