京・錦堺町 平野「富貴豆」
錦を歩く
その日は小雨が降ってたから、夕暮れどきも混雑する京都・錦市場を通って目的地へ向かっていました。そしたら、大丸のほうから入ってズンズン進んだ右側に、おそうざい屋さんが目に入りました。
「なんか、豆っぽいのないかな?」とチラ見して、目に入った黄金色。
[富貴豆]と書いてありました。
「富貴豆って、何ですか?」と訊ねると「そら豆を甘くしたものですよ」と。鬱金かクチナシか、そういうので色を入れたような綺麗な黄色の豆が、まるで私のためにとっておいてくださったように、1パックだけ残っていました。
200gで450円と書いてあります。
知らないものは、とりあえず試してみる主義です。
買ってみました。(^^)
平野さんの[富貴豆]
ふうきまめ、と読みます。そら豆を蒸かして砂糖で甘くしたもの。そら豆の外側をおおう皮(莢ではなく豆粒の皮)は取り除かれています。
「ホクホクと栗みたいですよ」と、お店の方が言っておられました。
黄色い粒、おいしそ〜!
富貴豆は、形のいいの、少しくずれたの、くずれて小さくなったの、一緒に入っていました。200gもの富貴豆のために、そら豆がいったい何本使われたのだろう? と考えると、貴重です。
蓋をあけたらほわ〜んと、そら豆のニオイがただよいます。
黄金色、カナリア色、そそられます。パクッ!
あ〜、ホント蒸し栗みたい。鳴門金時とか、甘いサツマイモのようでもあります。
自分で皮を剥かなくても、どなたかが莢と皮を剥いてくださっている。ありがたいですね〜。
ほのかな甘さが、豆のホクホクとちょうどいいあんばいです。おいしい。うれしい。
富貴豆、京都にはこんな食べ物があるんですね〜(^^)
山形県の富貴豆は青えんどう(グリンピース)製
ネットで「富貴豆」と引いてみると、山形市観光協会さんほか、たくさんの「富貴豆」「冨貴豆」「ふうき豆」がヒットします。
山形県では、グリンピースや青えんどうを使って作るそう。豆を蒸したあと、あの薄皮を手で外しておられるそうです。ものすごい手間がかりです。
起源は、明治時代の終わり頃に床屋さんが趣味で考案された豆菓子が評判となり、[まめや]の屋号で創業されたそうです。商品名[冨貴豆]は、蒸かして作るから【ふき豆】、縁起の良い漢字【冨】【貴】をあてて【冨貴豆】【ふうき豆】となったと書いてありました。
材料はグリンピースと砂糖だけ、各店の個性が現れる素朴な豆菓子なのだそう。
そら豆だったり、青えんどうだったりする富貴豆、こんな豆菓子をおやつに育つ子どもたちは、やさしいいい子に育つだろうなと思います。いえ、子どものおやつのみならず、奥さん、おばあちゃんたちにも喜ばれるお味だと思います。
ねぇねぇ、[富貴豆]って知ってる? と、みんなにも訊いてみよう。京都人は皆知ってるおやつで、知らなかったの、私だけかも‥‥?
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