豆は「しあわせ」のタネである

[治五左衛門のだだちゃ豆]黒丸

8月8日は「だだちゃ豆の日」

昨日も書いたけど、だだちゃ豆の日が近づいています。

だだちゃ豆の日に、みんなでだだちゃ豆を食べるようなこと、したいなぁ〜。

山形県鶴岡市から「治五左衛門」のだだちゃ豆を取り寄せしたとき、十五代目が私の枝豆研究のために黒豆の枝豆を同梱してくださいました。ありがとうございます!

黒丸/在来品種:舞台(ぶで)だだちゃ豆(別名:黒鉄砲) 310g入り

 

黒丸を味わいました

「黒丸」は、十五代目が名付けられた治五左衛門で穫れる黒大豆の総称だそうです。

莢は「小真木だだちゃ」と同じくらいか、気持ち小さめのサイズです。2粒豆と3粒豆が入っています。1粒豆ができないはずはないので、手選別で外されています。

鉄製のフライパンで蒸し茹でにしました。

茹で加減をみるために1莢つまんでみると‥‥ 甘い! 温かいシュガーコーンのような甘さがあります。豆の甘さは舌の上に広がるけど、砂糖の甘さと違って、どれだけ食べても喉の奥に残る甘ったるさがありません。清々しい甘さというのか、豆の乳成分の旨みというのか、おいしい甘さです。

かつて、十五代目の石塚寛一さんが言われていた「だだちゃ豆の収穫に適した日は1日だけ」。収穫最適日を3日と言われる方もおられますが、その中のベスト1日を見極めるのがプロの農家さんなのだと思います。

「黒丸」は正に、最適な日に収穫された枝豆の食感でした。「ぷりっとおいしい枝豆」の食感を、今シーズン何回か味わってきましたが、この黒丸は「ぷりっとした食感がおいしい枝豆」の最高峰のように感じます。少し小ぶりだから、豆粒全体にみなぎるみずみずしさが、1粒に濃縮されているようなプリッと感なのです。

小真木だだちゃも黒丸も、味わいは温かさが残るうちと、常温に冷めてから変わります。冷めると、旨みが立ってくる感じ。だだちゃ豆の濃い味わいが幅広く増幅する感じ。表現力に乏しくて、ごめんなさい。

写真の左が小真木だだちゃ、右が黒丸です。似てるけど、違います。

黒丸はクビレがしっかりした枝豆で、私の印象は「小さな実力派」といった感じです。もう、この美味しさを、みんなにも食べさせたい! と思いました。

今回はTさんとKさん、そして、また別のTさんにご賞味いただくことができました。関西で黒丸(舞台だだちゃ)を味わえる人は稀少です。私も含めて4人、ほかに食べられた人がいるのかなぁ‥‥?

 

だだちゃ豆のタネのこと

黒丸がなんでそんなに稀少なのかと申しますと、

①だだちゃ豆系統の中で唯一の黒豆

②現存しているタネは、おそらく山形大学の教授と、それを譲り受けた治五左衛門さんにしか残っていない ⇒ ということは、大学教授が販売用に育てることは無いと思われるため、治五左衛門さんでしか栽培していない

③だだちゃ豆のタネは種苗会社のものではない。生育が優良な枝豆を完熟させ、その家ごとに受け継ぐ

ということだと、石塚さんの話から推測しました。

黒丸/舞台だだちゃ豆は、絶滅危惧種のような存在なのだと思います。

去年、鶴岡に伺ったとき、よそさまのお宅の軒下に、完熟した枝豆(だだちゃ豆)が逆さ吊りに干されているのを見かけました。

生産者さんは、あのようにして自家タネをとっておられるのだなと思いました。写真は治五左衛門十五代目の石塚寛一さん。だだちゃ豆の先生です。

だだちゃ豆のこと、もっと知りたい。鶴岡に、また行きたい。

*そのほか枝豆について、豆なブログ「枝豆のこと」に書いています。

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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