とうふ屋さん取材
とうふ屋のある町は いい町だ
先週から二回お邪魔した北区のおとうふ屋さん。
取材申込をするまでに何度か伺ったとき、奥さんとしかお会いしたことがなかったのですが、今回の取材でお話をお聞きしたご主人が、とても素晴らしい方です。
どう素晴らしいか?
「今朝は朝寝坊して‥‥」と言われるから、「寝坊して何時起きですか?」と聞いたら、「2時に起きた」と‥‥
「2時で寝坊なら、何時に起きるはずだったのですか?」「目覚ましは12時にかけとるんやけど‥‥」だそうです。
手が、ちゃんと水がかりしている人の手です。
ふつうに買いに行ったらわからない、これまで気付かなかった商品がいくつもありました。
研究熱心で、大らかで、何を聞いても答えてくださいます。
月曜朝は、配達にも着いて行きました。
取材に来た者への気遣いで、おとうふやお揚げなど持たせてくださるのですが、今回の感涙は‥‥
配達先で回った食堂の名物おかずを買って、持たせてくださいました。上賀茂神社の近く、鯖で有名な「今井食堂」の鯖煮付け。ホロホロとおいしくって、ご主人を思い出しながら、しみじみしました。
ご主人の目標は、昭和6年創業の店を100周年に向け続けていくこと。
100周年まで、あと12年とちょっと。ご主人は、いま69歳です。
とうふ屋のある町は、いい町だ。
そんな町に暮らせることは、しあわせなのだと思います。
ただ取材に来ただけの者に、心やさしく接してくださる。ありがたいことです。
一見さんお断りの京都気質には、ちゃんと理由があります。それがわかるようになるまで、私は5年、6年かかりました。
いまも、京ことばは話せないけど、ちゃんと京都の人たちにまみれて暮らしています。
とうふ屋のある町は、いい町だ。
町のとうふ屋さんがいつまでも続いていきますように。
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