豆は「しあわせ」のタネである

【東京・田原町】La Manie BEANS

ラ マニ ビーンズ

取材で東京へ。せっかくなので、どこか訪ねるべく検索。「東京」「豆料理」でヒットした中から、気になったのは浅草近くのフレンチ。La Manie BEANS というお店を見つけました。

緊急事態宣言が明ける前ですし、電話を入れてみると‥‥

夕方6時開店、7時オーダーストップ、8時閉店とのこと。「それでもよろしければ」と、ひとりフレンチの予約を受けてくださいました。

夕暮れどき「東京は京都より暗くなるのが早いなぁ」と思いながら、お店にダッシュ。

ドアを開けると、12〜13席くらいのカウンターに先客2人。料理人のご主人と、細い女性がおられました。

 

豆料理いろいろ

初めてのお店で、ひとりフレンチ。前菜が数種類ある中から好きな5品を選び、メイン料理とパン、デザート、コーヒーが付いたセットをお願いしました。

「ちょっとずついろいろ食べたい方用に、苦肉の策〜」みたいな説明がおかしくって、「豆好きだから豆っぽいのを食べたいです」と相談し、盛り合わせていただきました。

左の赤いのから時計回りに、キャロット・ラペ(ひよこ豆)、緑レンズ豆のソテー、カレー風味のクスクス、おから(大豆)、ラタトゥイユ(金時)、真ん中に葉っぱ色々のサラダ、だったと思います。

前菜5品盛り。「一度にこんなに品数多く豆が登場するプレートは、おそらくこの店か、自分で作らない限り、日本では食べられない」と思いました。当然のことですが、缶詰や水煮にした豆の味ではなく、店で水戻しして茹でた豆の味と食感がわかりました。ナイス!

もう、本当はこれだけで腹八分。焼き立てパンも美味しくて‥‥

 

メインは、牛ほほ肉のなんとか。本来は鴨肉でしたが、苦手であることを申告したところ、チェンジしてくださいました。

ほほ肉を囲むズッキーニ、カリフラワー、芽キャベツ、パプリカ、じゃがいも、サツマイモ、などの野菜に混じり、肉のソースをまとった先出のひよこ豆や金時豆も散りばめられていました。

新幹線で京都まで帰るから、1杯しか飲まないつもりだったけど‥‥ 我慢できずに赤ワインをオーダー。やさしい奥さまが、サーブしてくださいました。

このあたりで、もう腹十二分。ワインまででお会計かと思いきや‥‥ コーヒー or 紅茶 or エスプレッソ? を訊ねられ、デザート登場。

いちご、パイナップル・タルト、シャーベット。

焼きパイナップルがジューシーな甘こうばしさで、美味しくて‥‥ 完食。腹十六分くらいのおなかになりました💦

 

ラ マニ ご主人とのお話

カウンター席は、調理風景が見られるから好き。フレンチ・シェフの動きをご主人の背中に見ながら、フランスで修業されたこと、独立される頃のこと、奥さまとのなれ初めなどお聞きしました。

豆好きなご主人がフランスの修業先で豆を使おうとすると、「家で使う材料を多用するな」と止められ、「ジャガイモはみんなが好きだから、たくさん使いなさい」と指示され、「え?」と思ったそう。

緑レンズ豆は味が濃くて、食べた食味があずきと似てると思い、どら焼きのあんこに使われていること。じゃがいもは2回加熱することで、より甘くなること。

ご経歴や料理のこと、子どもたちのこと、帰省エピソード、‥‥様々なお話をお聞きしているうちに、店は豆好きなご主人と奥さまが切り盛りする「ビーンズ家」なのだと思いました。お客の好みに合わせ、おなかいっぱい振る舞って、楽しい会話でもてなしてくださる温かいファミリーのお店。

豆好きな店主の豆料理専門店。豆料理以外の料理もあって、豆好きとフツウの人が一緒に楽しめる店。

今回はディナーで伺いましたが、この店の昼の表情も見てみたいと思いました。次はランチタイムを目指して、また行ってみよう。

La Manie BEANS 東京都台東区雷門1-8-8 天野ビル1F 最寄は銀座線の田原町駅

日・第一月曜休み、12:00〜13:30、18:00〜

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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