豆は「しあわせ」のタネである

【丹波篠山】今田の枝豆畑で教わったこと

丹波篠山 黒枝豆の畑へ

台風一過の日曜日、14号の被害に遭うこともなく無事に過ぎた丹波篠山へ、朝から出かけてきました。待ち合わせした新三田駅からクルマでおよそ30分、丹波篠山の今田地区に到着。

丹波篠山は、昨年2019年の5月に篠山市から「丹波篠山市」と名前が変わり、その10年前、1999年4月に4つの町(篠山町・西紀町・丹南町・今田町)が合併してできた市で、たいそうな広さです。

福岡県出身の私は、そんなことも全く存じ上げず、今回の丹波篠山の黒豆畑探検で教わりました。

その日、連れて行っていただいた畑は、一般道からクルマ1台が通るくらいの細い道沿いにある畑。間近に山が見えて、イノシシや鹿が入ってこないように鉄の柵で囲まれていました。

柵の内側は、枝豆畑。葉っぱが茂る黒枝豆の畝が向こうまで、ずず〜っと続いています。この畑で、おそらく1トンくらいの枝豆が収穫できるそうです。

収穫は次の週末、10月17日(土)18日(日)あたりとお聞きしました。

枝豆の畑の畝には、まだ緑色の生気を残した草が抜き取られていました。おそらく前日か前々日くらいに草取りされたもの。人の手で愛情を注いで育てられる黒大豆、丹波篠山の今田地区の枝豆。

「7月の長雨で土寄せができなかったから、今年の枝豆は枝が細い。それでもしっかり実をつけてホッとしてます」と言われていました。

8月は逆に雨が降らず、日照り続きだったそうです。ホースで水を引くようなところでもなかったし、「豆は強いから枯れなかった」と。そう、豆は強いのです。エライのです。

北海道の開拓民が荒れ地を開墾するとき、最初に植えたのが豆だったというような話をしながら、次の畑に向かいました。

 

川北の枝豆畑へ

今年「丹波篠山 味まつり」の開催はなかったけど、日曜日の丹波篠山市内はクルマが渋滞していました。高速道路のインターから続く道だと思います。回り道して、私がリクエストした「川北」地区へ移動してくださいました。

「川北」は、丹波の黒枝豆栽培が最初に始まった地区と何かで読んだことがあります。丹波の黒枝豆の中で「川北産」は、ほかの黒枝豆より少し高値が付いていました。高級な黒豆の中でもスペシャルに高級なのだと思っていました。K氏の話によると、最近はそこまでではなくなってきているそうです。

一般に「丹波黒」と呼ばれる黒枝豆の品種は「川北」「波部黒」「兵系黒3号」の3つ。種苗店では、地区ごとにタネが極力混じらないよう販売されます。

川北の黒枝豆の特徴は、葉がこんもりと茂ること。そう聞くと、立派なようにも感じるし、先ほどの今田の畑の枝豆も、手入れがされてしっかり根を生やしていたように思えるし‥‥

川北には、無農薬栽培で草が枝豆の高さを越えるくらい共存する枝豆畑もありました。雑草と害虫、農薬を使わないほうが良いのだろうけど、収量は下がるし、豆は虫喰いだらけになるし‥‥ 簡単ではありません。

 

市内中心部で

丹波篠山市内2地区の畑を見せていただいたおかげで、その後に市役所周辺部を散策するとき、好きな町がより愛おしく感じられました。

「私は丹波篠山の観光客の一人、コロナ禍が続くこの時期に、出向いた先で消費行動を起こすことが、良いこと」などと大義名分を考える必要もないほど、目に入るものが次々に欲しくなる魅力的な町でした。

たくさんの人出があり、黒枝豆の袋を提げた人たちが誇らし気に歩く姿が見えました。栗や山芋、イノシシの加工食品なども多数売られていました。

今週末もまた、丹波篠山市には多くの人が向かわれることと思います。いつも味まつりが開催される篠山城跡も、今年は駐車場にされているようでした。黒枝豆は初期から中期へ、旨みを増していることでしょう。

*丹波篠山市の中心部散策については、コチラ

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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