豆は「しあわせ」のタネである

大極殿本舗の懐中しるこ「くず家」

「懐中しるこ」の食べ比べをしています

懐中しるこ」とは、お花見や紅葉狩りなどの風情あるひとときに、外でもおしるこが食べられたらいいなと考案された、いにしえから今に続く甘味です。

秋から冬、春先にいただく甘味かと思っておりましたら、髙島屋の某和菓子屋さんでは「懐中しるこ」は夏場に販売する季節商品だそうです。小豆のさらし餡に加え、カカオ味も並んでいました。今どきっぽいですね〜。

バラ売りがなく、立派な箱入りで良いお値段でしたから、残念ながら私の口には入らず‥‥

お店の方にお願いして、参考のために写真だけ撮らせていただきました。「カカオとミルクの懐中善哉」、ひとつでも買えるようになったら食べてみたい。バレンタインデーやホワイトデーのおすすめ商品で‥‥ などと考えていましたら、売場の5箱が完売したら、もうリピートのない商品だそう。

私が枝豆に浮かれている間に、今ごろ完売してるかも‥‥

 

9月から始めた懐中しるこの食べ比べ、今回が5味目です。

 

懐中しるこ vol.5 大極殿本舗

大極殿本舗は、私の好きな「琥珀流し」の「栖園」で買ってきました。「くず家」の名で販売されていて、ひとつ324円(税込)で分けていただきました。

包装の裏側に、食べ方説明も載っています(ここには「くずの家」と書かれています)。

要約すると、砕いて器に入れ、コップ八分目の湯を注いでよくかき混ぜ、蓋をしてしばらく置いてからいただくそうです。桜の花の塩漬けは、好みで入れてくださいと書かれています。

 

ピンク色の桜の花の塩漬けが、なんとも京都らしい! 他社さんにはない付録です。(^^)

 

パキッと割ると、さらし餡のかたまりが、けっこうたっぷり入っています。

 

湯を注ぎ、よくかき混ぜて蓋をして‥‥ 3分くらい置きました。

 

では、いただきます!

 

「くず家」の生地は、けっこう厚みが感じられる丈夫な麩焼きです。裏面に折り合わせられた重なりが、まるで着物襟のようです。アラレが幾粒も出てきます。ふんわりしてて他社さんのアラレより、やさしい食感です。

肝心の餡はしっかりとボリュームがありますが、最初はすっきりとした印象です。桜の花の塩漬けを、私は最初は入れませんでした。

味の変化を楽しむべく、桜は途中で加えました。

しるこの量が減って、全体的にややトロミが出てきたところに塩味が加わって、甘さも強く感じます。

よく考えられた桜の塩漬けの存在に、栖園の奥さんが考案されたのかも‥‥ と思いました。奥さんには、琥珀流しで何度もお話をお聞きしています。店の味を創り、甘味を愛する素晴らしい方です。(^^)

 

大極殿本舗の「くず家」も、とても美味しくいただきました。

 

*vol.1 大黒屋鎌餅本舗の「懐中しるこ」

*vol.2 鶴屋吉信の「懐中しるこ」

*vol.3 塩芳軒の懐中しるこ「みのる里」

*vol.4 京阿月の懐中志留古「京のみたらし」

 

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豆・豆料理探検家
豆料理アドバイザー

五木 のどか

福岡県生まれ、京都市在住。個人事務所 who(ふー)所属。豆の原稿執筆、レシピ開発、販売促進などに携わる傍ら、豆好きな人を増やすため、豆料理の楽しさやおいしさ、使い方を伝える活動を展開している。 | 詳細はこちら
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